ロンドン(CNN) 英エリザベス女王の次男、アンドルー王子(59)が、未成年に対する性的虐待などの罪に問われた米富豪ジェフリー・エプスタイン被告(今年8月に死亡)との親交を巡り、BBCのインタビューに応じた。このインタビューで騒ぎは収まるどころか、王子に対する非難の声は一層強まっている。
英王室情報サイト、ロイヤル・セントラルのエディター、チャーリー・プロクター氏は、BBCが16日に放送したインタビューについて、「列車事故程度のものと思っていたが、飛行機が石油タンカーの上に墜落して津波を引き起こし、核爆発を誘発させたくらい悪い内容だった」とツイートした。
エプスタイン被告は未成年に対する性的虐待や売春組織の運営にかかわった罪で起訴され、公判を控えた8月に死亡した。自殺だったと思われる。
インタビューの中でアンドルー王子は、エプスタイン被告と一緒にいて怪しいと思ったことはなかったと振り返った。
エプスタイン被告を告発した女性の1人は、17歳だった当時、アンドルー王子との性的関係を強要されたと訴えている。
アンドルー王子はエプスタイン被告との関係を巡る一連の疑惑について、これまで一貫して否定する声明を王室を通じて発表していたが、公の場で発言するのは初めてだった。BBCのインタビューは14日に収録された。
エプスタイン被告の自宅に滞在したことについて、アンドルー王子は「便利」で「栄誉ある」ことだと思ったと釈明。17歳だった女性と性的関係を持ったとされる夜は、姉娘と一緒にピザレストランで開かれていたパーティーに出かけていたと語った。
エプスタイン被告との親交に罪悪感や後悔あるいは遺憾を感じたことがあるかという質問に対しては、「2010年に会いに行った判断は間違っていた」との認識を示し、「彼が明らかに不適切な行為を行っていたという事実は遺憾に思う」と発言。インタビュアーから「不適切ですか? 彼は性犯罪者でしたが」と重ねて尋ねられると、「いや、申し訳ない、私は丁寧な言い方をしたが、彼は性犯罪者だったという意味だった」と言い直した。
アンドルー王子はまた、娘のベアトリス王女の18歳の誕生日パーティーにエプスタイン被告を招待していたことも明らかにした。この時既に、エプスタイン被告には未成年に対する性的虐待の容疑で逮捕状が出されていた。
今回のインタビューが、英王室とその関係者に対するイメージを著しく低下させたのは間違いない。これはアンドルー王子が望んだ展開ではなかった。王子は火に油を注ぎ、今度はその火が燃え広がりかねない状況になったと評論家は予想している。
英アンドルー王子、BBCに出演も疑惑への非難やまず