太った猫の体重ごまかし「密航」、男性乗客のマイレージ取り消し ロシア

愛猫の体重をごまかした男性が、アエロフロート航空のマイレージを取り消された/PASCAL PAVANI/AFP via Getty Images

2019.11.14 Thu posted at 10:50 JST

(CNN) ロシアの首都モスクワの空港で体重検査をごまかして太った猫を「密航」させた男性が、アエロフロート航空のマイレージを取り消される羽目になった。

愛猫の「ビクター」を連れてモスクワ発ウラジオストク行きの便に搭乗したのはミハイル・ガーリンさん。

同航空の規定によると、体重8キロまでのペットは機内への持ち込みが認められるが、それ以上になると貨物室に預けなければならない。

チェックイン時のビクターの体重は10キロだった。

ガーリンさんは、愛猫を貨物室に送るわけにはいかないと粘ったが、係員を動かすことはできなかった。

やむなくこの便への搭乗をあきらめたガーリンさん。だが検査をすり抜けるための策を思いついた。

「戦略的決定に基づき、物理質量が少ない似たような猫を見つけることにした」。フェイスブックではそう報告している。

ガーリンさんは、モスクワの友人に頼んで「ミニビクター」を探してもらったとCNNに打ち明けた。

ちょうどいい猫が見つかると空港に戻り、再びウラジオストク行きの便に搭乗を試みた。

「太った猫のビクターを、ミニチュア猫のフェーベとすり替える作戦は成功した。体重計は受け入れ可能な数値を示し、空港係員は搭乗券を発行して、よい旅を、と言ってくれた」

チェックインを通過したガーリンさんは、フェーベをビクターにすり替えて搭乗。そのまま無事、目的地に到着した。

ところがこの経緯をつづった投稿がフェイスブックで注目を浴び、アエロフロート航空の目に留まった。

同航空は調査の結果、ガーリンさんが故意に規定に違反したと判断、マイレージプログラムの会員資格を取り消して、これまでにたまったマイルも失効させた。「防犯カメラの映像を確認した結果、搭乗前の検査の間に、この乗客が大型の猫を取り出していたことが確認された」と説明している。

ロシアのソーシャルメディアでは、アエロフロート航空のこの措置に反発する声が強まった。政治家までが行動を起こし、ウラジミール・ブルマトフ氏はアエロフロートのトップに対し、ガーリンさんのマイレージを復活させてペットの持ち込みに関する規定を見直すよう要求したと国営RIAノーボスチ通信は伝えている。

一方、当事者のガーリンさんは、自分が規定に違反したことは認識していると話し、マイレージ取り消し処分を受け入れる姿勢だ。規定は大切だし、尊重しなければならないと話している。

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