米下院本会議、弾劾手続き明記の決議案を採決へ

米下院が週内にも弾劾調査に関する決議案を採択する/ERIC BARADAT/AFP/Getty Images

2019.10.29 Tue posted at 18:07 JST

(CNN) 米下院のペロシ議長は28日、トランプ米大統領に対する弾劾(だんがい)調査の正式な手続きを定めた決議案を、31日の本会議で採決にかけると発表した。

下院の弾劾調査ではこれまで数週間にわたり、調査を主導する3委員会が非公開の公聴会を開いてきた。

野党・民主党によると、決議案は公聴会を公開するためのルールを確立し、ホワイトハウス側に適正手続きを保障し、最終的に弾劾訴追案をまとめる司法委員会への証拠引き渡しを可能にする内容。

決議案が可決されれば弾劾調査は次の段階に入り、一気に加速する可能性がある。ただしペロシ氏は、今後の証言や手掛かり次第で日程は変わるとの考えから、はっきりした期日に言及していない。

来週あたりまで非公開の公聴会が続き、早ければ11月第2週には情報特別委員会で公開公聴会が始まるとの見方が強い。複数の民主党関係者によると、下院民主党では11月28日の米感謝祭までに一連の公聴会を終わらせ、クリスマスまでに弾劾訴追案を採決にかけるという日程が検討されている。

31日の採決では、与党・共和党寄りの選挙区で選出された民主党議員らが難しい立場に追い込まれることも予想される。ペロシ氏は当初この点も考慮し、弾劾調査の開始を本会議の採決にかける必要はないとの立場を示していた。採決の必要性については、連邦裁判所も最近、同様の判断を下したばかりだった。

だがホワイトハウス側はこれまで、本会議での採決がないまま非公開で進められる弾劾調査は「不当」だと繰り返し、それを理由に協力を拒否してきた。

ペロシ氏は28日、議員らへの書簡で、トランプ政権が証拠提出や召喚を拒否するなど、調査を妨害し続けることが許されるのかどうか、「疑いの余地を排除するために」採決を実施すると説明した。民主党情報筋は、今回の採決によってホワイトハウスが抵抗する口実はなくなるとの見方を示す。

一方、ホワイトハウスのグリシャム報道官は、決議案の文言を見るまで正式なコメントはできないとしたうえで、弾劾調査の不当性をペロシ氏がついに認めたことになると主張した。

下院共和党のマッカーシー院内総務も28日、ペロシ氏は一方的に弾劾調査を始めると宣言しながら、今になって手続きの不備を認め、前言を撤回したとツイートした。

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