「対ウクライナ支援、捜査開始宣言が条件」 米代理大使が議会証言

米国のテイラー駐ウクライナ代理大使が議会で証言/Olivier Douliery/AFP/Getty Images

2019.10.23 Wed posted at 13:10 JST

(CNN) トランプ米大統領がウクライナに対し、政治的ライバルのバイデン前米副大統領らについて捜査するよう圧力をかけたとされる問題をめぐり、テイラー駐ウクライナ米代理大使が22日、トランプ氏の弾劾(だんがい)調査を進める下院で非公開の証言に応じた。

テイラー氏は弾劾調査を主導する下院情報特別、外交、監査・政府改革の3委員会に召喚された。CNNが入手した証言の原稿によると、テイラー氏は米政権高官らから、ウクライナに対する圧力の内容を具体的に聞いていたと述べた。

同氏が高官らの話として語ったところによると、トランプ氏はウクライナのゼレンスキー大統領に対し、数億ドルの軍事支援金を支払う条件として、バイデン氏の息子が役員を務めていたウクライナ企業の汚職疑惑や、同国による2016年米大統領選への介入疑惑を捜査するよう要求していた。

証言によれば、ソンドランド駐欧州連合(EU)米大使はテイラー氏との会話の中で、ウクライナ側が望むことはトランプ氏との首脳会談から軍事支援まで全て、ゼレンスキー氏が捜査開始を公に宣言するかどうかにかかっているとの見方を示した。ソンドランド氏はゼレンスキー氏らに対し、公の場で「はっきり」させなければ「行き詰まり」になると伝えたと話していた。テイラー氏はこれを聞いて、行き詰まりというのは軍事支援の凍結だと解釈したという。

ゴードン・ソンドランド駐欧州連合(EU)米大使

テイラー氏によると、ソンドランド氏と国務省のウクライナ担当特別代表を務めていたカート・ボルカー氏はともに、トランプ氏の立場を取引条件の履行にこだわる「ビジネスマン」という言葉で説明した。

これに対してテイラー氏は、両氏にあてた9月9日付のメッセージを通し、政治的動機で支援を中止するのは正気のさたではないと主張。ソンドランド氏はテイラー氏への返信で、その認識は間違いだと反論した。こうしたやり取りの記録は、弾劾調査の焦点のひとつとなっている。

ソンドランド氏は17日に非公開で議会証言に応じている。その内容に詳しい情報筋によれば、同氏は支援凍結の理由がほかにも複数あったと述べた。ただし、ソンドランド氏の証言については野党・民主党から矛盾点を指摘する声が上がり、同氏の再召喚も検討されている。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。