米検察、大統領顧問弁護士の協力者2人を起訴 ウクライナ疑惑に関与

ウクライナ疑惑に絡み、ジュリアーニ弁護士の協力者2人が起訴された/Alex Wong/Getty Images North America/Getty Images

2019.10.11 Fri posted at 10:00 JST

(CNN) トランプ米大統領の顧問弁護士ルディ・ジュリアーニ氏が接触していた関係者2人が、米国から出国しようとしたところで逮捕され、米選挙への外国資金流入に関与した罪で起訴された。マンハッタンの米連邦検察が10日、記者団に明らかにした。

2人は米大統領選挙に立候補を表明している民主党のバイデン前副大統領について、ウクライナでの疑惑掘り起こしを狙った行為にかかわったとされる。

この2人の起訴は、ジュリアーニ氏やトランプ大統領のこれまでの言動が、外国の資金を使って米国の政治や政策に干渉しようとする不正行為に関係していたことをうかがわせる。起訴された2人は米下院の弾劾(だんがい)調査の中心人物だった。

起訴されたのはジュリアーニ氏の関係者のイゴール・フルマン被告とレフ・パルナス被告。首都ワシントン郊外のダレス国際空港で9日に拘束された。司法関係者によると、2人はドイツ・フランクフルト行きの便を予約しており、同地で別の便に乗り継ぐ予定だった。

米当局者によると、米連邦検察は当初、起訴状の内容を公表しない意向だったが、2人が出国しようとしていることを知って方針を変更した。検察の発表によれば、2人は片道の航空券で搭乗しようとしていた。

米紙ウォールストリートジャーナルによると、ジュリアーニ氏はフルマン、パルナス両被告が逮捕される数時間前に、ワシントンにあるトランプ・インターナショナル・ホテルで2人と会食していた。ジュリアーニ氏はこの報道についてコメントを避けている。

司法省の当局者によると、バー司法長官は就任後の2月に、両被告に対する捜査について説明を受けており、両被告の起訴を支持しているという。

被告2人は首都郊外の空港から片道の航空券で出国の予定だった

10日に起訴されたのは両被告を含む計4人で、共謀や連邦選挙委員会に対する偽証、記録捏造の罪に問われている。起訴状によれば、4人は2018年3月以来、選挙資金法に違反する行為にかかわっていたとされる。

フルマン、パルナスの両被告は10日、米バージニア州の裁判所に出廷。検察側は、2人が逃亡を図った可能性があると主張した。罪状認否は行われなかった。

2人はバージニア州で拘置されており、それぞれ100万ドル(約1億円)の保釈金が設定された。

パルナス被告はジュリアーニ氏とウクライナの仲介役だった人物で、2018年にジュリアーニ氏をウクライナの当局者や元当局者に紹介していた。

ジュリアーニ氏はCNNの取材に対し、2018年11月以来、両被告から紹介されたウクライナの当局者を通じ、バイデン氏を含むトランプ大統領の政敵にとって不利な情報を受け取っていたと話した。下院民主党はジュリアーニ氏に対し、このやり取りに関する文書の提出を求めている。

マンハッタン連邦検察のバーマン検察官は10日、被告人の行為は米国の民主制度を脅かすものだと力説した。

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