銃乱射めぐりオバマ氏が異例のコメント トランプ氏反発

銃乱射事件の続発をめぐり、トランプ氏(左)とオバマ氏がコメントの応酬を繰り広げた/SCALZO/Wilson/Getty Images

2019.08.07 Wed posted at 13:35 JST

(CNN) 米テキサス州エルパソとオハイオ州デイトンで相次いだ銃乱射事件の衝撃が広がるなか、オバマ前大統領が5日、「憎悪をあおる指導者」を批判する異例のコメントを出した。トランプ大統領は6日朝のツイートでオバマ氏を批判した。

オバマ氏は普段、政治的な発言を控えているが、事件を受けてコメントを発表。国の指導者が恐怖や憎悪の風潮をあおったり、人種差別感情を当たり前のこととして扱ったりする発言を、「我々はきっぱり拒絶するべきだ」と訴えた。

トランプ氏の名前こそ挙げなかったものの、「自分たちと見た目が違う相手を悪者扱いしたり、移民のような人々が私たちの暮らしを脅かすとほのめかしたり、相手のことを人間以下と呼んだりする指導者、米国は一部の層だけのものという考え方を示したりする指導者」は拒否しようと主張した。

こうした発言は米国でも世界でも昔からみられ、奴隷制度や大量虐殺などの悲劇を招いてきたと指摘したうえで、米国の政治や社会にそれを容認する余地はないと断じた。「米国民の大多数を占める善意の人々が人種や宗教、政党を問わず、今こそはっきりとそう声を上げるべきだ」と呼び掛けた。

トランプ氏はツイートで、オバマ氏のコメント自体には直接言及せず、FOXニュースの司会者の言葉を引用して反論。オバマ政権下の2012年にコネティカット州の小学校で起きた銃乱射事件の後、ブッシュ元大統領はオバマ氏を非難しただろうかと問い掛けた。さらに、オバマ氏の大統領在任中には32件の銃乱射事件が起きたと指摘した。

テキサス州エルパソで、犠牲者に追悼の祈りを捧げる男性

トランプ氏は両事件の後、容疑者に死刑を適用する考えを示す一方、銃暴力の原因は銃そのものではなく犯人の精神疾患だなどと発言。暴力がまん延する原因としてテレビゲームやインターネットの影響を挙げている。

同氏は近く両事件の現場を訪問する予定だが、地元市長らは訪問の意図に懐疑的な見方を示す。

トランプ氏はかつてメキシコ国境の壁建設計画に関連し、エルパソの犯罪件数について事実に反する発言をした経緯がある。同市のマーゴ市長はトランプ氏の訪問を前に、「だれの言葉であれ、我々の歴史や価値観と食い違うエルパソ像を仕立て上げるような発言は容認しない」と、改めて強調した。

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