アサンジュ被告の米大統領選介入、エクアドル前大統領は「気付いていた」

エクアドルのコレア前大統領/KENZO TRIBOUILLARD/AFP/AFP/Getty Images

2019.07.17 Wed posted at 20:28 JST

アトランタ(CNN) 内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者、ジュリアン・アサンジュ被告が英ロンドンのエクアドル大使館を拠点に2016年の米大統領選に介入したとされる活動について、エクアドルのコレア前大統領は16日、当時から気付いていたと語った。

コレア氏はそのうえで、他国の選挙に干渉するのは許される行為ではないとの立場を示した。

コレア氏は2007~17年の大統領在任中、徹底した反米路線で知られていた。米政府の機密文書などを暴露していたアサンジュ被告が12年、スウェーデンでの性的暴行容疑で逮捕され、保釈中にロンドンのエクアドル大使館へ逃げ込んだ際に、同被告の受け入れを決めたのは当時のコレア大統領だった。

しかしコレア氏は、16日のインタビューでアサンジュ被告と距離を置く立場を打ち出した。同被告とはかつて一度だけ取材を受けた以外に話したこともなく、知り合いではないと主張した。

アサンジュ被告は大使館滞在中、米大統領選の民主党候補だったヒラリー・クリントン氏の陣営幹部のメールを大量に公開するなどして、トランプ大統領を有利にするロシアの工作に加担していたとされる。CNNは15日、同被告が大使館を司令本部として使い、ロシア側と接触したり、データ転送用の装置を搬入したりしていたことを示す映像などを公開した。

エクアドルのコレア前大統領

一方、コレア氏はCNNに、自分はトランプ氏よりもクリントン氏にずっと近い立場だったと強調。「トランプ氏は我々側の移民にとって敵だ。かれを支持する理由などどこにもない。全くつじつまが合わない」と、アサンジュ被告との立場の違いを力説した。

コレア氏はまた、アサンジュ被告がエクアドル大使館を牛耳っていたというCNNの報道も「あり得ない」と一蹴(いっしゅう)した。

コレア氏の後任となったモレノ大統領は親米路線に転じ、今年4月にアサンジュ被告の亡命を取り消したため、同被告は英警察に逮捕された。コレア氏はこの時、モレノ氏を「中南米史上最大の裏切り者」と非難していた。

米当局は機密文書の公開などに絡んでアサンジュ被告を追起訴し、英国に同被告の身柄引き渡しを求めている。

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