踊るオウムの「スノーボール」、14の振り付けを自分で習得

抜群のリズム感と創造性を備えたオウムが、14もの振り付けを自ら編み出したという/A.Patel/The Neurosciences Institute

2019.07.09 Tue posted at 14:10 JST

(CNN) 足でリズムを取ったり頭を激しく振ったりしながら音楽に合わせて踊るオウムの「スノーボール」。10年がかりでそのダンスを観察してきた研究チームが、スノーボールは14種類の振り付けを自分で習得していることが分かったとして、8日の学術誌カレント・バイオロジーに研究結果を発表した。

一部の鳥類は高度な認知制御能力を持ち、他の種には見られないレベルの創造性を発揮することが裏付けられたとしている。

スノーボールは黄色い冠羽が特徴的なキバタンというオウムの仲間で、バックストリート・ボーイズの「エブリバディ」に合わせて踊る姿が2007年にユーチューブで大ヒットした。

研究チームは2009年に発表した論文で、スノーボールは音楽のビートを認識する高度な能力を持っていることが分かったと発表していたが、飼い主の動きを真似(まね)て踊っているのか、それとも違うテンポに合わせて振り付けを変えることができるのかは分かっていなかった。

ところがこの研究が完了して間もなく、スノーボールの飼い主で今回の論文の共著者でもあるイレーナ・シュルツさんは、スノーボールが音楽に反応して自分で創作した新しい振り付けを覚え始めたと報告した。

そこで研究チームは80年のクイーンの楽曲「地獄へ道づれ」と、シンディ・ローパーの「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」の2曲をテンポを変えて再生し、スノーボールが踊る様子を撮影した。シュルツさんは時々声をかけて励ましながら、自身はダンスを控えた。

20分以上の映像をコマ送りしながら分析した結果、スノーボールは14種類の振り付けと2種類の組み合わせを使い分け、それぞれの楽曲のビートに合わせて踊っていたことが判明した。

片方のツメを上げ、ノリノリのダンスを披露する「スノーボール」

特に多かったのは、頭を激しく上下させる動作と、頭を揺すりながら片足を持ち上げる動作、片足を宙に上げたまま頭を左右に激しく揺らす動作だった。

スノーボールがこれほど多様な振り付けをどうやって覚えたのかは不明だが、オウムの仲間には、動作を真似る能力や長期的な社会関係を確立する能力など、人と共通する5つの特性があると研究チームは指摘、それが音楽に突き動かされてダンスを踊る能力につながっていると解説する。

スノーボールの振り付けは、音楽に合わせて自然に体を動かして踊るのが人間だけではないことを物語る。しかし霊長類のように人間に近い動物ではなく、鳥類がこれほど複雑な認知能力を持っていることに驚いたと、研究者のアニルド・パテル氏は話す。

今回のような調査の対象になった鳥類はスノーボールが初めてだった。そのため、ほかの種類のオウムにも今回の研究結果が当てはまるかどうかは分からない。

ノリノリで踊るオウム、14の振り付けを自ら習得

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