シャナハン氏、国防長官への指名を辞退 「家族が最優先」

シャナハン国防長官代行が、次期国防長官への承認手続きを辞退した/JIM WATSON/AFP/AFP/Getty Images

2019.06.19 Wed posted at 11:35 JST

ワシントン(CNN) トランプ米大統領は18日のツイートで、次期国防長官に指名していたシャナハン国防長官代行が承認手続きを辞退したことを明らかにした。

トランプ氏はツイッターに、シャナハン氏は家族との時間をもっと確保するため、承認手続きを進めないとの決断に至ったと書き込んだ。長官代行の後任にはエスパー陸軍長官を充てると表明した。

今後エスパー氏を国防長官に指名する可能性も「非常に高い」と述べた。エスパー氏は、トランプ政権が約束したメキシコ国境の壁建設に向けた資金確保や、国境への派兵にかかわってきた人物。共和党幹部らはこの人選を「適任」と歓迎している。

トランプ氏は先月9日にシャナハン氏を国防長官に指名する意志を表明したが、承認公聴会に向けた正式な手続きは進んでいなかった。

シャナハン氏をめぐっては、米紙ワシントン・ポストが18日付で、2011年11月に元妻が当時17歳の息子にバットで殴られた件に関し、同氏が息子の弁護士宛てに書いていたメモなどの詳細を報じた。

メモには息子の正当防衛だと書かれていたが、シャナハン氏は17日、同紙の取材に対し、自身の主張は間違っていたとコメント。息子が取った行動は暴力に違いないとの見方を示し、暴力を正当化することはできないと強調した。

トランプ氏は先月、シャナハン氏を国防長官に指名する意志を表明していた

シャナハン氏は元妻と争った末に離婚している。その離婚をめぐる事情が最近、改めて取り沙汰されていた。元妻は同氏に殴られたと主張し、離婚費用を請求する訴訟を起こす構えを示してきたが、同氏は先日、元妻に手を上げたことはないとする声明を出した。シャナハン氏の娘と息子もそれぞれの声明で、自分たちは母のほうから暴力を受けていたと述べ、同氏を擁護している。

シャナハン氏は17日にホワイトハウスでトランプ氏と面会した。トランプ氏は18日、記者団に「本人から今朝、辞退の意向を聞いた」「私が勧めたわけではない」と語った。家庭内暴力の問題については「昨日初めて聞いた」と主張した。

トランプ氏のツイートに続いて、シャナハン氏自身も18日に指名を辞退するとの声明を出し、承認手続きの過程で「何年も前のごく個人的な家庭の事情が断片的に、誤解を招くような形で掘り返されているのは残念なことだ」と述べた。さらに、このまま手続きを進めれば娘や息子たちにつらい過去を思い出させ、今まで長い時間をかけて癒やそうとしてきた傷口を開くことになると指摘。家族の安全と幸せが最優先だと強調した。

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