タンカー2隻、オマーン湾で攻撃 2隻とも日本に関連

中東のオマーン湾を航行するタンカー2隻で爆発や火災が発生した/Iranian Students News Agency via AP

2019.06.14 Fri posted at 10:45 JST

(CNN) 中東のホルムズ海峡に近いオマーン湾で13日、タンカー2隻で爆発や火災が起きた。この地域では先月も、4隻が攻撃されたばかりだった。

13日に攻撃されたタンカーのうち1隻は石油を、もう1隻は化学薬品を輸送していた。現場はホルムズ海峡に近い公海で、乗員は全員が避難して無事だった。

国際独立タンカー船主協会によると、2隻は水面あるいは水面下で、エンジンルーム付近を攻撃された。同協会は、計画的な連続攻撃だったと見ている。

米国務省のポンペオ長官はこの攻撃について、イランの責任だとして非難した。根拠については収集された情報に基づくとだけ述べ、裏付けとなる証拠は明らかにしていない。

米国のコーエン国連代理大使は国連安全保障理事会の非公式会合で、「この地域を不安定化させるイランの活動の新たな実例」と主張した。

13日の安保理では、公式な反応は示さなかった。

米国防当局者によると、現場近くにいた米海軍艦「ベインブリッジ」の乗員は、攻撃を受けたタンカーのうち1隻の側面に、機雷が取り付けられているのを見たと報告した。機雷は不発だった。

海軍は現場に派遣する艦船を増やして警戒やパトロールを行い、人員の輸送やタンカーの救援に当たる。

2隻のタンカーはともに日本関連の積み荷を輸送していた

船体に取り付ける機雷は、アラブ首長国連邦(UAE)沖で5月に起きた石油タンカー4隻に対する攻撃にも使われた疑いが持たれている。この攻撃についてUAEは、国家が関与したとの見方を示し、残骸の解析を行った結果「機雷が取り付けられた可能性が最も高い」と結論付けていた。

13日に攻撃を受けたのは、マーシャル諸島船籍の石油タンカー「フロント・アルタイル」と、日本の海運会社が保有するケミカルタンカー「コクカ・カレイジャス」の2隻。ノルウェーの海運当局によれば、フロント・アルタイル」の船上では3回の爆発が報告された。同船を保有するノルウェー企業のフロントラインによると、爆発に続いて火災が発生した。爆発の原因は分かっていない。

一方、日本の海運会社によれば、コクカ・カレイジャスは現地時間の午前6時ごろ、2度にわたって何らかの砲撃を受け、1回目の攻撃で出火したが、火は間もなく消し止められた。

現場はホルムズ海峡に近いUAEのフジャイラ港沖。同船にはメタノールが積まれていた。フィリピン人の乗員21人は全員が避難した。同船を管理するシンガポールのBSMによると、乗員1人が負傷し、同船は船体を損傷した。

日本政府によると、タンカーは2隻とも、日本関連の積み荷を輸送していた。安倍首相は現在、イランを訪問している。

イラン国営通信は、2隻の乗員44人がイラン海軍に救助され、イランのジャスク島に運ばれたと伝えた。

一方、米政府によると、当時近くにいたベインブリッジが現場で支援に当たり、米国防当局者によれば、コクカ・カレイジャスの乗員はタグボートでベインブリッジに救助された。

当局者はCNNの取材に対し、原因は現時点で不明だと語り、タンカーが水中で機雷に触れたか、発射体によって攻撃された可能性も否定できないと話している。

国連のグテーレス事務総長は、今回の事件に「深い憂慮」を表明した。

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