(CNN) スペイン南部の歴史都市グラナダの民家で、寝室の壁の裏に8万匹のハチが巣を作っているのが見つかった。
この家に住む夫婦は、しばらく前からブンブンという騒音に悩まされていた。やがて騒音がひどくなり、夜も眠れないほどになった。
ハチの巣の移動を専門に手掛けるセルジオ・ゲレロさんがCNNに語ったところによると、夫婦は1年ほど前から家の中でハチを見かけるようになった。しかし警察も消防も地元自治体も助けにならなかったという。
暖かくなるにつれて騒音は激しくなり、ゲレロさんの会社に相談が寄せられた。「3カ月ほど前から耐えられない騒音があったのに、夫婦にはどうすればいいのか分からなかった」とゲレロさんは言う。
5月12日、この家を調べたゲレロさんが見たのは、経験豊富な養蜂業者にとってさえショッキングな光景だった。寝室の壁の裏側には、約8万匹のハチがすむ巣があった。
巣の巨大さを考えると、2年ほど前からそこにあったと思われ、これほどの騒音を立てるハチと人が共存できていたことに驚いたとゲレロさんは話す。
ハチは巣を出入りして大きな騒音を立てる日もあれば、巣の中で静かにしている日もあったとみられる。
この地域には花が多く、ここ数年は気温も高かったことから、ハチの繁殖期間が長くなったらしい。
ゲレロさんによると、今年に入ってかかってきたハチの巣の移動を依頼する電話の件数は、過去最多になっている。
世界的にはハチの個体数が脅かされる状況が続いているが、グラナダのあるアンダルシア地方のハチは安泰のようだとゲレロさんは指摘、「ハチの重要性についての認識が高まっている」と歓迎している。