「フェイスブックは解体の潮時」、共同創業者が提言

フェイスブックの共同創業者が、同社の「独占企業化」に警鐘を鳴らした/Getty Images

2019.05.10 Fri posted at 17:00 JST

ロンドン(CNN Business) 米フェイスブック共同創業者のクリス・ヒューズ氏が9日、米紙ニューヨーク・タイムズへの寄稿の中で、フェイスブックを解体すべきだとする主張を展開した。

ヒューズ氏は、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が学生時代に始めたフェイスブックを営利企業として成功させるのに貢献した人物。現在のザッカーバーグ氏について、「抑制のない権力」をもち、その影響力は「民間セクターあるいは政府機関の誰よりも」大きくなったと指摘する。

その上で、規制当局がフェイスブックを分割させる潮時が来たと主張、「マークは善良で思いやりのある人間だが、成長を重視するあまり、安全性やクリックに対する礼儀を犠牲にしていることに、私は腹を立てている」と打ち明けた。

「ニュースフィードのアルゴリズムが我々の考え方を変え、選挙に影響を及ぼし、国家主義のリーダーを増長させる可能性について、私自身や初期のフェイスブックチームがもっと考えなかったことを悔やんでいる」「マークが自分の考えを変えさせるのではなく、支持してくれるチームで周りを固めていることも心配だ」。ヒューズ氏はそう記している。

フェイスブックなどのインターネット大手に対しては、起業家やIT企業の経営者から、規制強化を求める声が強まっている。

ザッカーバーグ氏自身、ある程度の規制を受け入れる意向を示していた。

しかしヒューズ氏の見方では、フェイスブックが規制受け入れの姿勢を示した狙いは、反トラスト法違反に問われる事態を避けることにある。

フェイスブックを率いるマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)

ヒューズ氏自身は10年以上前にフェイスブックを去った。フェイスブックは今や、世界のソーシャルネットワーク収入の推定80%を支配する企業へと成長。その原動力は、ザッカーバーグ氏の競争心と独占欲にあったとヒューズ氏は分析する。

フェイスブックが「強大な独占企業」になった今、同社が買収したインスタグラムやワッツアップは強制的に分離させるべきだとヒューズ氏は主張。米政府に対しては、IT企業の監督機関を創設すべきだと提言した。

「(ザッカーバーグ氏は)起業家精神を排除し、消費者の選択を狭める怪物を生み出した。我々が見えざる手の魔法を失わないようにする責任は我々の政府にある」。ヒューズ氏はそう訴えている。

こうした主張についてフェイスブックの広報担当副社長ニック・クレッグ氏は、「成功には説明責任が伴う」「だが成功を収めた米国企業の解体を呼びかけることによって、説明責任を強制することはできない」との声明を発表した。

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