ベネズエラ、反政権の国会議長が決起呼び掛け

現政権打倒への決起を呼びかけるベネズエラのグアイド国会議長/Marco Bello/Getty Images South America/Getty Images

2019.05.01 Wed posted at 11:20 JST

(CNN) 南米ベネズエラでマドゥロ政権打倒を訴え、暫定大統領就任を宣言したグアイド国会議長は30日、「自由作戦」が最終段階に入ったと宣言し、軍兵士らに決起を呼び掛けた。

グアイド氏は同日早朝、野党指導者のレオポルド・ロペス氏とともに首都カラカス市内の空軍基地前からビデオ声明を出した。ロペス氏は自宅軟禁中だったが、離反兵士らに救出された。

これに応えて反マドゥロ派の兵士らが集まり、催涙ガスなどで鎮圧を図る政権側と衝突した。

現場からの実況ビデオは、反政権派のデモ隊が軍車両に物を投げ付け、車両のうち1台が群衆に突っ込む場面などを伝えた。

反体制派の集団はその後、市内の路上に結集。政権側兵士らの一部が離反し、反政権派の青い腕章を着ける姿もみられた。

政権側のパドリノ国防相は、反体制派との衝突で軍の大佐が撃たれたと述べた。市内の病院によると、衝突でけがをしたのは70人以上。このうち42人はゴム弾、2人は銃による負傷だったという。

ロドリゲス情報相はツイッター上でグアイド氏の動きを「クーデター」と呼んで非難し、友好国であるボリビア軍とともに治安を回復させると表明した。

反政権派のデモ隊と鎮圧にあたる兵士らが激しく衝突

グアイド氏は反体制派が拠点とする市中心部の広場へ移動し、「軍は国民の味方だということがはっきりした」と宣言。自分たちのデモは憲法にのっとった「平和的」なものだと強調し、クーデターを展開しているのはマドゥロ氏の方だと訴えた。

グアイド氏はもともと5月1日に全国規模のデモを計画し、カラカス近郊を回って支持を訴えていたが、その予定を1日前倒しした形だ。ただし軍兵士の支持をどこまで得ているのかは不明。政権側は各地の部隊がマドゥロ氏への忠誠を維持していると主張し、「平和を守る」ためのデモを呼び掛けた。

米国のポンペオ国務長官はツイッターで、米政府はグアイド氏を「全面的に支持する」と改めて表明した。ボルトン大統領補佐官は同日、トランプ大統領や側近らが事態を「分刻みで」見守っていると述べた。

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