スリランカ爆発 ISISが犯行声明、事前にインドから具体的な警告

ISISが公開したスリランカで起きた爆発事件の実行犯とされる人物らの映像/ISIS

2019.04.24 Wed posted at 11:35 JST

コロンボ(CNN) スリランカで21日に起きた連続爆発事件で、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が23日、犯行を認めるビデオを公開した。また事件に先立ち、インドの情報当局がISISメンバーから得た情報として、スリランカ当局に異例の警告を発していたことが分かった。

ISISがメディア部門のアマク通信を通じて出した犯行声明のビデオには、事件の実行犯とされる8人の男たちが登場し、ISISに忠誠を誓っている。このうち7人は覆面姿だが、残る1人はリーダーの「ザフラン・ハシム」と紹介されている。

スリランカ西部州の知事はCNNとのインタビューで、この男が事件の首謀者とされるザフラン・ハシム容疑者であることを確認し、以前から過激思想を広めていた人物だと述べた。

スリランカ当局者らによると、インドからの詳細な情報は今月4日に初めて伝えられていた。

政府報道官が22日の記者会見で語ったところによれば、キリスト教会や観光名所を狙った自爆テロが計画されているとの内容だった。警告は事件の2日前と2時間前にも繰り返されていたという。

インド当局者の1人がCNNに語ったところによると、このうち少なくとも一部は、インドで逮捕されたISISメンバーの容疑者に対する取り調べから得られた情報だった。

この容疑者は、スリランカでザフラン・ハシムという人物に対する過激思想の教育に関与したと話していた。

スリランカ捜査当局の幹部が今月11日付で署名した警告のメモでは、自爆テロを計画しているイスラム組織「ナショナル・タウヒード・ジャマート(NTJ)」のリーダーとして、この人物が名指しされていた。

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スリランカの元警察幹部がCNNに語ったところによると、当局は少なくとも2年前からNTJの存在を把握していた。NTJは東部州から勢力を伸ばし、仏像の破壊を繰り返すなどしてますます過激化。メンバーは100~150人に増えたと推定される。

当局は事件後の2日間で数十人を拘束した。ウィクラマシンハ首相は記者会見で、今も爆発物を持って逃げている容疑者がいるとして警戒を呼び掛けた。

スリランカ当局は23日、事件現場のホテル3カ所に加え、もう1つのホテルも標的となっていたが、この攻撃は失敗したとの見方を示した。

22日に犯行グループに物的支援を提供したとして逮捕された9人が出廷した。法廷文書によれば、9人は全員、コロンボ近郊にある銅工場に勤めていた。

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