日本の成人、4人に1人が性交渉の経験なし 東大チームの研究

18~39歳の日本人は男女とも性交渉未経験者の割合が諸外国より高いことが分かった/Shutterstock

2019.04.09 Tue posted at 16:04 JST

香港(CNN) 18~39歳の日本人男女の4人に1人は異性との性交渉を経験していないとの研究結果が、このほど新たに発表された。未経験者の割合は、米国などに比べてはるかに高いことが分かった。

東京大学で国際保健学を専攻する研究者チームが論文をまとめ、8日発行の公共保健専門誌に発表した。

それによると、日本では18~39歳の男性のうち、女性との性交渉を経験したことのない人が2015年の時点で25.8%と、1992年の20.0%からさらに増えた。女性でも未経験者の割合が、92年の21.7%から15年には24.6%に上がった。

これに対して英国や米国、オーストラリアの調査では、30代前後の未経験者が1~5%にとどまっている。

研究チームによると、今までも日本で性交渉の経験がない成人が増えていることは指摘されてきたが、全国規模のデータを使ってこの問題を取り上げた研究は初めて。

同研究では、過去30年間に実施された全国規模の出生動向調査7件のデータを分析した。各調査の回答者は18~39歳の1万1553~1万7859人。性的少数者であることを自己申告した人は対象に含めず、既婚者は全員性交渉を経験していると推定した。

研究によると、低所得層では男性の未経験者が特に多いことが分かった。チームのメンバーは、未経験の因果関係を語れば「非常に複雑」な議論になるとしたうえで、男性にとって少なくとも部分的には「社会経済学的」な側面があるとの見方を示した。

調査では、性経験のない人もいずれは結婚したいと答えていた。性交渉を意図的に避けているわけではないことがうかがえる。

日本でバーチャルな性交渉やポルノなど「代替的な性体験」の需要があるのは、パートナーを見つけるのが難しいからとも考えられる。一方、こうした方法で性を表現するほうがいいという人がいるから需要が伸びるとの仮説を立てることもできると、メンバーは主張する。

研究チームはさらに、米国やドイツでも性交渉のない若者が増えていることから、世界的なセックスレスの潮流を日本がリードしている可能性もあると指摘した。

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