世界初、HIV感染者同士の生体腎移植を実施 米大学病院

HIV感染者同士の移植手術で腎臓を提供したニーナ・マルティネスさん/Sarah Marie Mayo

2019.03.29 Fri posted at 15:30 JST

(CNN) 米メリーランド州ボルティモアの病院で、HIV(エイズウイルス)感染者同士の生体腎移植手術が世界で初めて行われた。ジョンズ・ホプキンズ大学病院が明らかにした。腎臓を提供したドナーの女性も、提供を受けた患者も経過は良好だという。

移植手術は同病院で25日に実施された。ドナーとなった健康コンサルタントのニーナ・マルティネスさん(36)は1983年、生後6週間で輸血を受けてHIVに感染した。

米国では2013年まで、HIV感染者の臓器提供は認められていなかった。しかし同年11月に制定された法律によって、感染者同士の臓器移植に関する研究が可能になった。

ジョンズ・ホプキンズ大学病院は2016年、死亡したHIV感染者をドナーとする世界初の臓器移植手術を実施。以後、米国内で行われたHIV感染者同士の臓器移植は約100例に上るが、ドナーはいずれも死亡した患者だった。

マルティネスさんは、HIV感染者同士の生体臓器移植をテーマにしたテレビ番組を見て関心を持ち、腎臓移植を必要とする友人がいたことから真剣にドナーとなることを考えたという。

しかしこの友人が死去したため、マルティネスさんの腎臓は、待機者リストの中から大学病院が選んだ患者に移植されることになった。

ドナーになることを考えたきっかけは、腎臓移植を必要とする友人の存在だった

医師団は入念な検査を行った結果、マルティネスさんの健康状態は良好で、臓器提供によるリスクは小さいと判断した。患者に移植された腎臓は正常に機能しているという。

米国内のHIV感染者は100万人を超えている。マルティネスさんの臓器提供によって「この疾患に関する偏見が1つ減った」と医師は評価する。

マルティネスさんも、自分の行動がきっかけとなって、HIV感染を問わず、臓器提供を検討する人が増えてほしいと話している。

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