在スペイン北朝鮮大使館で襲撃の報道、関与が疑われる集団の狙いは?

何者かの襲撃を受けたとされるスペインの北朝鮮大使館/Manu Fernandez/AP

2019.03.20 Wed posted at 10:25 JST

(CNN) スペインのマドリードにある北朝鮮大使館が何者かに襲撃される事件があり、当局が捜査を行っている。スペイン国家警察がCNNに明らかにした。

地元紙エルパイスの報道によると、2月22日に起きたとされる事件では、偽の火器を持った10人の集団が北朝鮮大使館に押し入って職員らを問いただし、暴行を加えるなどしたとされる。

襲撃犯は中にいた職員らをロープで縛り、物品を盗んで高級車で逃走したという。

隙を見て女性1人が大使館から脱出し、この女性の悲鳴を聞いた近隣の住民が警察に通報した。しかし大使館に駆けつけて扉をノックした警察は、何も起きていないと告げられたという。

事件が起きたのは、米国のトランプ大統領が北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長とベトナムの首都ハノイで会談する数日前だった。

警察は大使館襲撃事件について、捜査中であることを理由に詳細を明らかにしていない。スペイン内務省も、捜査中の案件についてはコメントしないとしている。

北朝鮮の元駐スペイン大使、金革哲(キムヒョクチョル)氏

米政府関係者によれば、今回の襲撃には脱北者でつくる「千里馬民防衛」が関与したとみられる。

千里馬民防衛は金正恩体制の転覆を目標とする集団。CNNの取材に対して返答はなく、今回の襲撃に関する犯行声明も出していない。

同団体は、2017年にマレーシアで殺害された金委員長の異母兄、金正男氏の息子のハンソル氏を保護したと伝えられたことで脚光を浴びた。

スペインのメディアは匿名の関係者の話として、大使館の襲撃は、北朝鮮の駐スペイン大使だった金革哲(キムヒョクチョル)氏と関係があるかもれないと伝えた。

金氏は現在、北朝鮮の高官として米国との交渉を担当している。スペインでは2017年、北朝鮮によるミサイル実験と核実験を受けて国外退去処分となった。

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