米俳優、暴行事件の自作自演容疑で逮捕 キャリア宣伝狙い シカゴ

「エンパイア 成功の代償」に出演していた俳優のジャシー・スモレット容疑者/Chicago Police Department

2019.02.22 Fri posted at 10:20 JST

シカゴ(CNN) 米人気ドラマ「エンパイア 成功の代償」に出演していた俳優のジャシー・スモレット容疑者が、シカゴ市内で何者かに襲われたと訴えていた事件に関する虚偽通報の容疑で、21日に逮捕された。

シカゴ警察によると、スモレット容疑者は人種差別に対する怒りや同情を誘って自分のキャリア宣伝につなげる目的で、友人の男性ら2人に3500ドル(約38万円)を支払って自分を襲わせたとされる。

この事件ではスモレット容疑者が1月29日、シカゴ市内のホテルの前で2人の男に襲われたとして被害届を提出。2人に人種差別用語を浴びせられ、首にロープを巻き付けられたなどと主張していた。

警察は現場からの足取りを追うなどしてこの2人を逮捕した。2人は48時間の勾留期限が切れる寸前に、スモレット容疑者の自作自演に加担していたことを認めたという。

スモレット容疑者は21日、裁判所に出廷した。検察によると、同容疑者は男性2人に対し、自分を襲う際の言葉や行動について具体的に指示を出し、人種差別用語や同性愛者差別用語を使わせて、「ここはMAGAの国だ(トランプ大統領のスローガン「アメリカを再び偉大な国に」の意味)」などと言わせていたとされる。

スモレット容疑者は黒人で、エンパイアでは同性愛の登場人物を演じていた。

事件前の1月25日、スモレット容疑者は友人にメールで手を貸してほしいと依頼、2人と会って計画を説明し、リハーサルを行った上で、100ドル紙幣を渡して衣類やロープを買わせ、現場に携帯電話は持って行かないよう指示したとされる。

21日に出廷した際は、自分の氏名のみを確認。弁護側は逃亡の恐れはないなどと主張し、スモレット容疑者は保釈金10万ドルを支払って保釈された。

捜査当局は、スモレット容疑者が自分のギャラに不満を持っていたことから自作自演を思いついたとみて調べている。

今回の事件では、警察は当初、ヘイトクライムとして捜査を進め、スモレット容疑者を襲ったとされる2人を特定。2人は事件後、一時的にナイジェリアへ出国していたが、米国へ戻ったところで事情を聴いて逮捕した。

しかし通話記録などを調べた結果、スモレット容疑者が事件の直前と直後に2人と電話で話していたことが判明。警察は、2人が金目当てでスモレット容疑者に協力したと見ている。2人は同容疑者の自作自演が発覚したことを受けて釈放された。

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