パリ(CNN) パリなどフランス各地で5日、マクロン政権に抗議する今年初の大規模デモが実施された。
カスタネール内相によると、パリや南西部ボルドー、南部マルセイユなどで計5万人以上がデモに参加した。
パリでは先週末の800人を大幅に上回る3500人が参加。市内で少なくとも34人が事情聴取のために拘束された。
政府報道官の1人は、市内にある事務所のドアが重機で破壊され、デモ隊が中庭に乱入したためスタッフが避難したと述べた。
南部モンペリエと北部トロワの県庁舎、南東部アビニョンの裁判所もデモ隊に襲撃された。北部ボーベでも暴力が報告されている。
カスタネール氏はツイッターを通し、国民に責任ある行動と法秩序の尊重を呼び掛けた。
仏国内のデモは燃料税引き上げへの反対運動から始まって反政権運動に発展し、週末ごとに繰り返されてきた。参加者が着用する路上作業用の安全ベストから、「黄色いベスト」運動と呼ばれている。先週末は推定計3万2000人が参加した。
マクロン大統領は先月、最低賃金引き上げをはじめとする改革を発表したが、デモ参加者らの怒りを鎮めることはできなかった。
マクロン氏は新年の演説でデモに直接言及しなかったものの、ヘイトスピーチ(憎悪表現)は容認しないと述べ、「より良い未来を築きたい」と強調。国民に相互尊重の精神を呼び掛けた。