ジャーナリストの焼身自殺でデモ激化、警官隊と衝突 チュニジア

チュニジアでジャーナリストの男性の焼身自殺に端を発する抗議デモが激化/HATEM SALHI/AFP/Getty Images

2018.12.28 Fri posted at 13:00 JST

(CNN) 北アフリカのチュニジアで、ジャーナリストの男性の焼身自殺が発端となり、デモ隊と警官隊の衝突が2夜連続で続いている。

男性は24日、ソーシャルメディアに動画を投稿し、自身や家族が置かれた社会的に困難な状況を理由として、焼身自殺を図ると予告していた。この動画はその後削除された。

チュニジアのジャーナリスト組合は声明を発表し、男性が焼身自殺したことを確認、「厳しい社会状況のために希望を失った」と説明している。

同組合はさらに、「報道現場を腐敗の温床にする原因をつくった国々」を非難すると述べ、数日中に一連の抗議活動を発表するとした。

男性の死後、同国中西部のカセリーヌでは、デモ隊と警官隊の衝突が発生。TAP通信によれば、タイヤを燃やしたり道路を封鎖したり石を投げたりするデモ隊に対し、警察が催涙ガスを使用した。

当局は25日、男性の死について調査に乗り出したことを明らかにしたが、それでもデモは止まず、26日夜まで続いた。

これまでに計22人が逮捕されている。

焼身自殺に続く情勢の不安定化は「アラブの春」につながる2010年の状況を思わせる

チュニジアでは2010年、首都チュニスでモハメド・ブアジジさんが焼身自殺したことをきっかけに抗議デモが激化、「アラブの春」と呼ばれる運動が11年にかけて北アフリカから中東へ広がった。

ブアジジさんの焼身自殺が発端となって当時のベンアリ政権は崩壊。その後民主化は進展したものの、厳しい経済状況が続き、失業率は高いままだった。

今回の抗議デモについて内務相は、理由については理解できるとした上で、デモの権利は法を逸脱しない範囲で行使し、夜間は行わないよう呼びかけた。

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