少女が風船に託したサンタへのお願い、国境越えて米夫婦が夢かなえる

米国の夫婦の尽力で、メキシコに住む女の子のクリスマスのお願いがかなった/Radio XENY/César Barrón

2018.12.27 Thu posted at 17:00 JST

(CNN) 米アリゾナ州の男性が犬の散歩中に、手紙の付いた風船を発見した。手紙の内容は小さな女の子のクリスマスの願い事。男性はその夢をかなえようと、国境を越えて女の子を探し始めた。

手紙を拾ったのはアリゾナ州パタゴニア近郊に住むランディ・ハイスさん。茂みの中に落ちていた破れた赤い風船に目を留め、よく見ると、ひもの先に手紙が付いているのに気付いた。

手紙はスペイン語で、ダヤミさんという名の少女のクリスマスの願い事が書かれていた。おもちゃや衣類、マジック、絵の具、塗り絵の本が欲しいという内容だった。

「子どものクリスマスのお願いを無視するわけにはいかない」「小さな子どもが、誰かがかなえてくれることを願って手紙を書いた。その願いをかなえるために、出来る限りのことをしなければならないと思った」。ハイスさんはCNN系列局KPHOの取材にそう語った。

風船は、同地から30キロ以上離れたメキシコのノガレスから来たらしいことが分かった。妻に訳してもらった手紙は「あなたにできることを届けてください」と結んであった。

少女の願いに心を打たれた夫妻は、ノガレスのラジオ局XENYに連絡を取り、少女探しを手伝ってほしいと依頼。同局司会者のセサル・バーロンさんは19日、SNSに写真を掲載して一般からの情報提供を求めた。

この投稿が大きな反響を呼び、わずか1時間で、手紙を書いたダヤミさんの父親を見つけることができたという。

父親から連絡を受けたバーロンさんは、その日のうちにハイスさんに知らせた。ハイスさんからは即座に、「できるだけ早くプレゼントを届けたい」と返事があった。

風船についた手紙を拾ったハイスさん(右)がダヤミさん(中央)と初めて顔を合わせた

翌日、全員がラジオ局に集まり、ハイスさん夫妻からダヤミさん(8)にプレゼントを手渡した。ハイスさんの妻はダヤミさんに、手紙を見つけたハイスさんがサンタに届け、サンタからプレゼントを届けてほしいと頼まれたと語って聞かせた。

「子どもたちはプレゼントを見ると、喜びで小さな目を丸くしていた」とハイスさんは振り返る。

何年も前に息子を亡くしたハイスさん夫妻にとって、ダヤミさんとの出会いは特別な出来事だった。

「私たちの未来に孫はいない。だから子どもたちとクリスマスを共有することは、私たちの人生にずっと欠けていたものだった」

ダヤミさんの両親によると、毎年クリスマスにサンタへの願い事を書いて風船を飛ばすのは、一家の長年の習慣だった。今年もダヤミさんはいとこたちと一緒にサンタへ2通の手紙を書き、1通はクリスマスツリーに残し、もう1通は風船に付けて飛ばした。この風船が国境を越え、はるばるアリゾナ州まで届いていた。

誰かが手紙を見つけてくれたと知って、一家は信じられない思いだったという。ダヤミさんの父親は、「世界には本当にいい人たちがいる」と感慨深げだった。

ダヤミさんは「私の手紙についてのストーリーを読んでくれた皆さんに感謝します」とコメントしている。

風船に託したサンタへのお願い、国境越えて米夫婦がかなえる

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