(CNN) 漁船が流されてカリブ海を3週間近く漂流していた2人の漁師が、大型客船に偶然遭遇して救出される出来事があった。
2人を乗せた小型ボートは3週間近く漂流していた。燃料は底を突き、飲料水は残り少なくなり、食料は釣った魚を食べてしのいでいた。
奇跡はクリスマスが近づいた21日に訪れた。
遭遇したのは、食堂からスパまであらゆる設備が整ったロイヤル・カリビアンの大型客船「エンプレス・オブ・ザ・シーズ」だった。
広報によると、同船は21日午後7時ごろ、カリブ海のグランドケイマン島とジャマイカの間の海上で、2人が乗った小型漁船を発見した。
漁船に遭遇したのは、クルーズ船が悪天候のため、キューバのシエンフエゴスからジャマイカのオチョリオスへ行き先を変更したことによる偶然だった。
クルーズ船はグランドケイマン島とジャマイカの救助センターに連絡を取ったが、いずれも救助出動はできないという返答だった。そこで同日午後10時ごろ、クルーズ船から小型ボートを降ろし、2人を無事救出した。
救出された2人は、中米コスタリカを出航して船の中で寝ていたところ、悪天候で船が流されたという。戻ろうとする途中で燃料も使い果たした。船に積んでいたのは7日分の食料と水のみで、魚を釣ってしのごうとしたと話しているという。
1人は衰弱がひどく歩くことができなかったが、2人ともけがはなかった。
2人はオチョリオスで下船して医師の診察を受け、クルーズ船の乗員は、退院後の衣類や食費として300ドルを提供したという。
「もしもわれわれが予定を変更していなければ、あの時刻にあの場所にはいなかった。ちょっとした幸運が奇跡を呼ぶこともある」。ロイヤル・カリビアンの気象専門家はそうツイートしている。
漂流中の漁船に遭遇、「奇跡」の救出劇