故ブッシュ元米大統領、フィリピンの子どもを10年間支援 手紙もやり取り

ブッシュ元大統領は、慈善団体を通じてフィリピンの子どものスポンサーとなり、10年間にわたって教育費などの支援を続けていた/MANDEL NGAN/AFP/Getty Images

2018.12.19 Wed posted at 12:32 JST

(CNN) 11月に死去した米国のジョージ・H・W・ブッシュ元大統領は、慈善団体を通じてフィリピンの子どものスポンサーとなり、10年間にわたって教育費などの支援を続けていた――。非営利団体のコンパッション・インターナショナルがこのほど、そんなエピソードを明らかにした。ブッシュ氏が仮名を使って相手の子どもとやり取りした手紙の一部も公開している。

ブッシュ氏が支援したのはティモシー君という男の子。7歳の時から10年間にわたって教育費や課外活動費、時には食費も提供していた。

同団体はブッシュ氏が送った手紙の一部をCNNに提供。ブッシュ氏の広報も、この手紙が本物であることを確認した。

ティモシー君に宛てた最初の手紙は2002年1月24日付けだった。

手紙には、「親愛なるティモシー 私はあなたの新しいペンパルになりたいと思います。私は年寄りで、77歳ですが、子どもが大好きです。まだ会ったことはなくても、もうあなたのことが大好きです。私はテキサス州に住んでいます。時々手紙を書きますね。幸運を。G・ウォーカーより」と記されていた。

子どものスポンサーになったきっかけは、2001年にワシントンで開かれたクリスマスコンサートだった。コンパッションの元代表、ウェス・スタフォード氏によると、コンサートの合間に支援活動について紹介したところ、聴衆の中にいたブッシュ氏が手を挙げて、パンフレットを求めたという。

ただ、支援しているのが米国の元大統領だと分かれば、子どもが狙われる恐れもある。そこで警護隊の要請により、ブッシュ氏の支援は匿名で行われることになり、手紙は全てスタフォード氏が目を通した。

ティモシー君に宛てた最初の手紙は2002年1月24日付けだった

この仕事は簡単ではなかったとスタフォード氏は振り返る。「私が読んだスポンサーからの手紙の中で、同氏の手紙は最も優しく活気に満ちていた。ただ、同氏は自分の身元について、ヒントを与え続けた」

最初の「違反」は愛犬の写真を送ったことだった。「私たちの犬の写真です。名前はセイディです。たくさんの有名人に会ったことがあります」とブッシュ氏は記していた。

別の手紙では、ブッシュ氏はクリスマスにホワイトハウスへ招かれたことも明かしていた。

プレゼントを贈ることは認められていなかったものの、ティモシー君が絵を描くことが好きだと知ったブッシュ氏は、色鉛筆やスケッチブックなどを送っていたという。

ティモシー君は自分の作品を添え、お礼の返事を書き送っている

ティモシー君は自分の作品を添え、「僕のことを覚えていてくれてありがとう」とお礼の返事を書き送っている。

このスポンサーがブッシュ氏だったことは、ティモシー君が17歳になって支援が終了した時点で、同団体の担当者から打ち明けた。ティモシー君は、自分を支援してくれていたのが元大統領だったと知って、ひどく驚いていたという。

ティモシー君は、この時を最後に消息が分からなくなった。

コンパッション・インターナショナルは、世界25カ国にある7000以上の教会と連携して、子どもたちの教育などを支援する活動を行っている。

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