(CNN) 米国入国を目指す中米からの移民が25日にメキシコ西部ティファナの国境を突破しようとした問題で、米税関・国境警備局(CBP)は26日、不法に国境を越えた69人を逮捕したと発表した。ティファナの警察は25日にメキシコ側で39人を逮捕した。今後、逮捕者の本国への送還手続きが進むことになる。
現地のジャーナリストによると、移民約500人は25日、ティファナと米国を結ぶサン・イーサイドロ国境検問所付近の警察の封鎖線を突破していた。これにより検問所は一時封鎖された。
トランプ米大統領は、移民の多くは「冷酷な犯罪者」だと根拠を示さずに位置付け、メキシコが本国に送り返すべきだとの主張を展開。必要があれば国境を永久に封鎖するとも述べている。
米側は移民らを追い払うために催涙ガスを使用した。CBPはこれについて、移民が最初に物を投げてきて、要員の安全を確保するため催涙ガスを使ったと説明した。
メキシコ当局によると、ティファナのスポーツ施設には現在、5600人以上の移民が一時滞在している。内訳は男性3598人、女性1041人、子ども993人。
25日のデモは、この施設から国境に向けて行われ、平和的なものとなる予定だった。だがCBPによると、国境エリアに到着した移民らはいくつかの流れに分かれ、サン・イーサイドロ検問所に向かう者のほか、その東西を目指す者もいた。検問所を跳ね返された移民は古いフェンスを破ろうとしたり、CBPの要員に物を投げ付けたりしたという。
メキシコ内務省は、同国の連邦及び地元当局も移民の不法な越境を止めたと述べた。
ティファナ市の市長は、移民の行動により同市と米国の関係が悪化するのを放置するわけにはいかないと発言。同市の住民は毎日、米国側に通勤通学などで行き来しており、国境封鎖は住民に影響を及ぼすとの懸念を示した。移民対応に市のリソースを使うことにも反発し、メキシコ政府が支援するように求めている。
メキシコ政府は12月1日に、ペニャニエト政権から次期オブラドール政権に移行する。米紙ワシントンポストは24日、難民申請中の移民に対してメキシコ国内にとどまるよう求めるとするトランプ米政権の考えについて、これを支持するとしたメキシコのコルデロ次期内相の発言を報じた。だが次期政権は同日夜、それに関する公式な取り決めがあったわけではないと否定した。