ザッカーバーグ氏、フェイスブック批判の報道に反論 CNN単独インタビュー

インタビューに答えるフェイスブックのザッカーバーグCEO/CNN

2018.11.21 Wed posted at 18:00 JST

ニューヨーク(CNN Business) 米フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)兼会長は20日、米カリフォルニア州メンローパークのフェイスブック本社でCNN Businessとの単独インタビューに応じ、同社に対する批判的な報道に反論した。

ザッカーバーグ氏は「大きな問題をめぐってこれまで言われてきたことの多くは正当な批判だ」と認める一方、「現実的な見方をするなら、より大きな全体像もある。それは、私たちのことを報道する一部の人々と私たちは世界観が違うということだ」と述べた。

同氏はまた、「確かに重大な問題がいくつかある。ないというつもりはない」「ただし一部の報道からは、それだけが全てという印象を受けることもあり得る。それもまた違うと思う」と語った。

フェイスブックはこの1年間、ロシアによる米大統領選への介入問題や英コンサルティング会社ケンブリッジ・アナリティカとの不正な情報共有、大量の個人情報流出などをめぐり、相次ぐ批判にさらされてきた。

さらに米紙ニューヨーク・タイムズが先週、同社はロシアの選挙介入に気付きながら隠ぺいを図り、外部のPR会社を使って競合他社への中傷キャンペーンを仕掛けていたなどとする調査報道記事を掲載した。

大統領選前の15年、候補者時代のトランプ氏がフェイスブック上でイスラム教徒の移民締め出しを主張した投稿をいったん問題視しながらも、共和党からの批判を懸念して削除を見送り、容認していたとも伝えた。

フェイスブック側は記事に抗議したが、同紙は「記者チームが数カ月かけて、フェイスブックの幹部や元幹部、従業員、議員、政府職員、ロビイスト、議会スタッフら50人以上に取材した正確な記事だ」と説明していた。

ザッカーバーグ氏はインタビューで「記事が明らかに正しいとは到底思えない」と反論。「書かれた内容の多くについては、事前に記者たちと話をして、私たちの知る限り事実ではないと伝えてあった。それにもかかわらず掲載することにしたようだ」と不快感を示した。

会長職から退く予定はないという

トランプ氏の投稿を容認した経緯については、「市民が政治指導者の声を聞く機会を持つのはとても重要なことだ」と強調。ニュース価値のある投稿を特に尊重するのがフェイスブックの方針だと述べ、「あれは正しい判断だった」と主張した。

米紙ウォールストリート・ジャーナルによれば、ザッカーバーグ氏は今週、フェイスブック従業員らの前で、同社に対する最近の報道はでたらめだと話していたという。

同氏はインタビューで、フェイスブック会長を辞任する考えはあるかとの質問に「その予定はない」と答えた。一連の危機への対応が批判されているナンバー2のシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)についても「この10年間、私の大事なパートナーだった。共に成し遂げた仕事を心から誇りに思っているし、今後何十年も力を合わせていきたい」と述べた。

さらに「世界はこのまま同じ方向に進み続けるだろう。今後さらに多くの人が発言の場を得るのは良いことだと思う」と、フェイスブックの利点を強調。「解決するべき問題は確かに出てくるだろう。しかし同時に、ここでは素晴らしいことも起きている。その全てを見失ってはいけない」と呼び掛けた。

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