動画ニュース伝える「AIキャスター」登場 中国新華社通信

新華社通信に「バーチャルアナウンサー」が登場/Xinhua

2018.11.11 Sun posted at 17:52 JST

香港(CNN Business) 中国の国営新華社通信がこのほど、人工知能(AI)技術を生かした、世界で初めてとするバーチャルの「ニュースキャスター」を披露した。

中国東部の烏鎮市で開いたインターネットの会議で紹介した。異なるキャスターが中国語と英語で対応するもので、1日24時間、ニュース原稿を読み上げることが可能としている。

新華社は、人間のプロのキャスターのような状態で原稿を読み上げることが可能と誇示している。英語版のキャスターはスーツにネクタイ姿で登場。冒頭部分では、「こんにちは。英語ニュースです。私は北京のAIキャスターです」とロボットを思わせる声で自己紹介した。

容姿は新華社に実在するキャスターに似せている。「最新ニュースを届けるため疲れ知らずで働くことが出来る。原稿は途切れることなく私のシステムに送り込まれる」などとも述べた。

同じく新華社に実在するキャスターを想定した中国版担当の別のAIキャスターも披露された。

AIキャスターは新華社と中国のインターネット検索大手「Sogou(捜狗)」が開発。人間に似た声、顔の表情やしぐさを表現出来るとしている。

AIキャスターによる動画ニュースは、新華社の公式サイトやソーシャルメディア上で視聴が可能。ニュース報道に要する経費削減や効率性の向上につながると期待している。

ただ、中国の国営テレビ局が将来的な利用に備えAIキャスターの導入に関心を抱いているのかどうかには触れなかった。

中国のツイッター「微博(ウェイボー)」での反応を見た限り、AIキャスターの能力を評価するものばかりではない。「声が非常に堅苦しいし、間合いに難点がある」などの書き込みがあった。

中国のメディアによるAI技術の実験は今回が初めてではない。「DragonTV」は2015年、朝の実況番組で米マイクロソフトのチャットボット「XiaoIce」を使ったお天気ニュースを放映。新華社によると、女性の声による天気予報を伝えていた。

習近平(シーチンピン)国家主席率いる中国の検閲制度は世界で最も厳しいとされ、国内や外国の報道機関への締め付けも強い。

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