ベネチア観光名所も冠水、イタリア全土で死者や孤立の被害続出

ベネチア観光名所も冠水/Miguel Medina/AFP/Getty Images

2018.11.01 Thu posted at 13:00 JST

ローマ(CNN) イタリアの災害対策当局は10月31日、暴風雨などの悪天候によって死亡した人が11人に上ったと発表した。洪水に見舞われた水の都ベネチアでは、海水によって歴史的建造物に大きな被害が出ている可能性がある。

ベネチアは29日、高波と強風による大規模な洪水に見舞われ、街の大部分が冠水した。サンマルコ広場は湖と化し、歴史的建造物サンマルコ寺院の大理石の床も水浸しになった。

管理当局はサンマルコ寺院について、「たった1日で20年分の老朽化が進んだ。だがそれでも楽観的な見方かもしれない」としている。

12世紀の建造物マドンナ・ニコペイアの祭壇前の大理石の石畳は冠水し、洗礼堂なども浸水被害が出ている。

寺院の入り口付近のモザイク模様の床は、最大で高さ90センチの水に16時間浸かった。青銅の扉や柱、大理石なども水浸しになった。

管理当局によると、「寺院のレンガ造りの構造が海水にさらされて数メートルの高さまで痛んでおり、モザイクの装飾も危険にさらされている」という。

洪水は29日のピーク時には海抜156センチの高さに達し、ベネチアの4分の3が水没した。市内各地の浸水カ所で歩道が設置されているが、観光客や住民は腰までの高さの水に浸かりながら歩いている。店舗や飲食店も浸水を防ぎ切れず、バケツで水をくみ出す作業に追われている。

31日も最大で90センチ、11月1日は110センチの高波が予想されている。

イタリアは今週に入って各地で暴風雨の被害が広がった。リグリア、ベネト、トレンティーノ、フリウリベネチアジュリアの各州では特に被害が大きく、リグリア沿岸の人気リゾート地ポルトフィーノは、近郊の街ラパッロとの間を結ぶ道路が破壊されて孤立状態となっている。

ラパッロの港に係留されていたベルルスコーニ元首相一家のヨットも破壊されたといい、市の当局者は「まるで津波のような8メートルの高波があった」と話している。

南チロルでは31日、大雪のために190人以上が身動きできなくなり、救助作業が続けられている。

トレンティーノアルトアディジェ州では突風にあおられた男性が漁船から湖に転落して死亡。テラチナやナポリでも倒木などによる死者が出ているほか、北部のバディーアではボランティアの消防士が死亡した。

ベネチア観光名所も冠水

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