オバマ氏やクリントン氏宛てに爆弾、CNN支局にも テロとして捜査

CNNのニューヨーク支局が入居するタイムワーナーセンターでも爆弾の入った小包が発見され、支局員らが避難した/Shannon Stapleton/Reuters

2018.10.25 Thu posted at 10:49 JST

(CNN) 米国のオバマ前大統領やクリントン元国務長官など政界の要人宛てに送り付けられた爆弾が23~24日にかけて相次いで発見され、当局によって阻止された。米連邦捜査局(FBI)は、テロ事件として捜査に全力を挙げると表明。当局はいずれも関連する事件とみて調べている。

CNNのニューヨーク支局が入居するタイムワーナーセンターでも24日午前、爆弾の入った小包が発見され、支局員らが避難した。小包は、CNNの番組に出演していたブレナン元米中央情報局(CIA)長官宛てだった。

さらに、カリフォルニア州の民主党議員マキシン・ウォーターズ氏に宛てた不審な小包が議会の郵便物仕分け施設で見つかったほか、ニューヨーク州のクオモ知事は、マンハッタンにある事務所に不審な装置が届いたことを明らかにした。サンディエゴのユニオントリビューン紙では、不審な小包が見つかったことを受けて建物内にいた人たちが避難した。

爆弾を送り付けられた相手は、いずれも右派の批判の的になっている人物や報道機関ばかりだった。その多くはトランプ大統領自らが矛先を向けている。

ニューヨークのデブラシオ市長はこの日午後の記者会見で、「報道の自由やこの国の指導者を弱体化させようとする明らかなテロ行為」と位置付けた。

トランプ大統領は同日午後、政府はこの事件に関する捜査に全力を尽くすと表明。FBIや司法省、国土安全保障省、シークレットサービスから説明を受けたことを明らかにした。

政治的に敵対する相手を「邪悪」と形容していたトランプ大統領だが、今回の事件については「我々が一丸となり、米国には脅しや政治的暴力の場がないことを断固として示さなければならない」と強調した。

CNNニューヨーク支局があるタイムワーナーセンターにも届いた

FBIの捜査員によると、今回の事件で送り付けられた装置はパイプ爆弾だったと思われる。司法当局者はCNNの取材に対し、装置はいずれも同じような造りだったと述べ、少なくとも1個には、ガラスの破片を含む投射物が仕込まれていたと指摘した。いずれも初歩的な装置だったが、機能する仕組みは備えていたという。

司法関係者によると、CNNニューヨーク支局があるタイムワーナーセンターの郵便室で見つかった装置は、オバマ氏やクリントン氏に送られた装置や、著名投資家ジョージ・ソロス氏の自宅に22日に届けられた装置とよく似ていた。司法関係者によると、ブレナン氏宛ての小包は宅配便で届いたという。

シークレットサービスによると、オバマ氏やクリントン氏宛ての小包は、いずれも仕分け作業で発見されて処理され、本人に届く恐れはなかったという。オバマ氏宛ての小包が届いたのは24日、クリントン氏宛ては23日だった。

司法関係者によれば、米フロリダ州にある民主党のデビー・ワッサーマン・シュルツ議員のオフィスにも24日に不審な小包が届いた。この小包はエリック・ホルダー元司法長官宛てだったが、住所が間違っていたことから、差出人として記載されていたワッサーマン・シュルツ議員のオフィスに返送されたという。オバマ氏とクリントン氏、ソロス氏宛ての小包にも、同じ差出人の住所が記載されていた。

爆弾には硫黄が使われている形跡があり、処理中に爆発する恐れもあった。地元警察によると、ワッサーマン・シュルツ議員のオフィスに届いた小包は、爆弾処理班が調べている。

CNNニューヨーク支局があるタイムワーナーセンターにも届いた

FBIのレイ長官は、最優先課題として捜査に全力を挙げると表明し、一般からの情報提供を呼びかけた。FBIは、別の場所にも小包が郵送される可能性もあるとして、引き続き警戒を呼びかけている。捜査はFBIの対テロ捜査班が主導し、テロとして捜査している。

ニューヨーク市警によると、タイムワーナーセンターで見つかった装置は爆弾だったことが判明。小包に同封されていた封筒の中の白い粉末についても調べているという。この小包は24日午前、ブロンクスにあるニューヨーク市警の施設に運ばれた。警察は市内の報道機関周辺でパトロールを増やすなど警戒を続けている。

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