野生生物写真コンテスト、最優秀作品はシシバナザルのつがい

野生生物写真コンテストの最優秀賞に選ばれた中国のシシバナザルの写真/Marsel van Oosten/Natural History Museum

2018.10.17 Wed posted at 19:09 JST

ロンドン(CNN) 英ロンドン自然史博物館が主催する野生生物写真コンテストの今年の入賞作品が発表された。最優秀賞は、オランダ人の写真家が中国のシシバナザルを撮影した作品に贈られた。

「The Golden Couple(黄金のカップル)」と題したこの作品は今年の春、絶滅の危機に直面するシシバナザルの唯一の生息地、中国の秦嶺山脈で撮影された。

オランダの自然写真家、マルセル・ファン・オーステン氏は撮影に先立ち、現地で数日間観察を続けた。50匹余りの群れの中で、雄同士のけんかをじっと眺める雄と雌の姿をとらえた。

審査委員長は「自然の美しさと、消えていく自然によって我々が失うものを象徴的に思い起こさせる。世界中のギャラリーで展示するに値する芸術作品だ」と評価した。

今年のコンテストには4万5000点以上の応募があり、同氏のほか18人が部門賞を受賞した。受賞作品の一部を紹介する。

インドの少年が撮影したフクロウの子どもの写真

15~17歳の若い写真家を対象にした部門では、ボツワナで眠りから覚めたヒョウの写真が選ばれた。

両生類・は虫類部門。北米最大のサンショウウオ、ヘルベンダーが獲物と戦っている。米国の写真家がテネシー州で撮影した。

報道写真部門。メキシコの山中に生息する雄のジャガーが、縄張りの境界の木に爪あとを残そうとしている。

10歳以下の部門。インドの少年が北西部パンジャブ州で、父の運転する車の窓からフクロウの子を撮影した。

地球環境部門は、ナミビアの砂丘を撮影した作品。大西洋を望む海岸に、風が生んだ砂の造形が広がる。

連作部門。エクアドルの自然公園内で、親に守られながら木の枝を食べるアルキズメ・ツノゼミ。

子どもが木の枝を食べるのを見守るアルキズメ・ツノゼミ

環境の中の動物をテーマにした部門。夏の終わりに南極半島の先で、カニクイアザラシが海氷の上に横たわる姿をとらえた。

無脊椎(せきつい)動物の部門。オーストラリア西部で、2匹のドロバチが産卵に備え、泥を巣に運んでいる。

水生動物の部門。米フロリダ州パームビーチで水上に飛び出したトビウオの姿をとらえた。

都市にすむ生物の部門。イタリア中部アブルッツォ州の村で、生息数わずか50頭の希少動物、マルシカヒグマがえさを求めてさまよっていた。

ほ乳類部門。ウガンダのブウィンディ原生国立公園で、マウンテンゴリラの母親が子どもの死がいを抱き上げている。子ゴリラは生まれてまもなく病死したとみられる。

創造的視点の部門。南極の氷山が溶けてできたハート型の水たまりを、小型無人機から撮影した。

新人による連作の部門。ベルギー南東部アルデンヌの森で、雄のシカ2頭が雌を取り合い、決闘を繰り広げている。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。