空爆で負傷も撮影続行、シリアの市民ジャーナリスト

空爆で負傷してもカメラを止めなかったジャーナリストの録画映像をCNNが入手/Anas Al Diab/White Helmets

2018.09.11 Tue posted at 13:51 JST

(CNN) シリア反体制派の最後の拠点となった北西部イドリブ県で、若い市民ジャーナリストが空爆で負傷しながら撮り続けた映像を、CNNがこのほど入手した。

ジャーナリストのアナス・ディアブ氏(22)は、現地のボランティア救助組織「シリア民間防衛隊(通称・ホワイトヘルメッツ)」のメンバーとしても活動している。

イドリブ県の町カーン・シェイクンで7日、空爆で炎上した工場を撮影している時にまた爆発が起き、両脚を負傷した。

ディアブ氏はカメラを回し続け、ホワイトヘルメッツがその映像をCNNに提供した。

同氏は脚から血を流しながら、仲間に助けを求めている。数人の男性が駆け付けたが担架はなく、同氏の体を引きずって運ぶしかなかった。

そこへまた1つ爆弾が落ち、一行は地面に伏せる。1人が無線で援軍を要請した。

カーン・シェイクンは昨年、化学兵器による攻撃を受けて80人以上が死亡した町。国連はアサド・シリア政権による攻撃だったと結論付け、米軍が政権軍の基地をミサイルで攻撃した。

ボランティア救助組織のメンバーとしても活動するアナス・ディアブ氏(22)

アサド政権と支援国のロシアは、シリア国内のテロリストを攻撃していると主張してきた。しかしCNNが入手した市民による映像には、自宅を破壊された家族やがれきの下敷きになった女性、市街地から次々に立ち上る煙などが映っている。

ディアブ氏は入院先の病院で、「かれらは罪のない市民をできるだけ多く殺そうとしている」と訴えた。救助される間もカメラを放さなかったのは、国際法廷に提出する証拠映像になるからだと話している。

空爆で負傷も撮影続行、シリア北西部の惨状

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