ニューヨーク(CNNMoney) 履歴書は長年にわたり就職への切符となってきた。しかし、紙1枚の履歴書は重要性が薄れつつある。
労働者の大半は今でも履歴書を持っているが、企業や採用担当者は人材探しに当たって以前ほど履歴書を重視しなくなっている。
米IT大手シスコの人事部門幹部、メイシー・アンドルーズ氏は履歴書について「採用プロセスに占める比重はおそらく約35~40%から10%以下に下がった」と話す。
紙の履歴書が時代遅れになっているのだとすれば、求職者は差別化を図って雇用側の注意を引くために何ができるだろうか。
ネット上でプロフェッショナル像を輝かせる
採用担当者はインターネット上のさまざまなサイトをチェックして応募者の把握に努めている。
そこでネット上で職歴をアピールし、具体的な実績を示すように心がけよう。
多くの採用責任者や担当者が最初にチェックするのは大抵、ビジネス向け交流サイトのリンクトインだ。このため、プロフィルは完全なものにして、過去の経験だけでなく今後の目標も強調するようにしたい。
リンクトインの場合、履歴書とは違っていつでも好きなときにアップデートできる。
米国の人材関連会社ACライオンのボニー・ザベン最高執行責任者(COO)は、「プロフィルを変更していろいろ試してみて」とアドバイス。いったん記入した後は放置しがちな履歴書とは異なり、リンクトインでは表示の工夫や文言の変更などを試すことができると指摘した。
リンクトイン上での推薦や紹介、所属するグループの力もあなどってはならない。「ソフトスキルや人物像をより細やかな形で示すことができる」(ザベン氏)
専門家はまた、ネット上のプロフィルでさまざまなメディアを活用することも勧める。動画やブログの投稿、過去の実績一覧へのリンクを貼ることで、自分の価値のアピールにつなげることが可能だ。
発信する
採用活動の担当者や責任者はインターネットを注視して、候補者の技能や人物像の把握に努めている。
求職者に対し、特定分野への関わりや専門知識をアピールすることを期待しているのだ。
アンドルーズ氏は「専門分野の知見を自ら発信できる仕組みはたくさんある」と指摘。「自分が達成したことに言及するのも良いし、失敗談も興味深いものとなる」と語り、発信することの重要性を説く。
就職希望先の関係者に推薦してもらう
人脈作りは求職者にとって常に重要な武器であり続けてきた。オンライン化された今日の世界では時代遅れにも思えるかもしれないが、知り合いの推薦が持つ力を過小評価してはならない。
現役社員からの推薦は大きな重みを持つ。
米調査会社ガートナーの人事部門幹部、ブライアン・クロップ氏は「その企業で既に働いている推薦者を見つけるのは本当に重要なこと」と強調。企業はほとんどの場合、「推薦があれば確実に面接を行う」という姿勢だろうと指摘する。
出身校の卒業生ネットワークで積極的に活動したり、業界の会合に顔を出したりすれば、希望の分野や会社で働く人との出会いを円滑に進めることができそうだ。