欧州ではしか流行、記録的な感染者数 WHO

欧州でのはしかの感染者数が記録的なペースで拡大している/Alessandra Tarantino/AP

2018.08.22 Wed posted at 18:35 JST

(CNN) 欧州で今年に入り、はしかの感染者が過去10年を大幅に上回る記録的なペースで増えている。世界保健機関(WHO)によると、今年1月から6月にかけて欧州ではしかに感染した患者は、大人と子どもを合わせて4万1000人を超え、2017年の年間を通じた感染者のほぼ2倍となった。

欧州では2017年の感染者も年間で2万3927人と記録的な多さだったが、今年は既にその数を上回る。2016年の感染者は年間5273人のみだった。

WHOの専門家は、「現在の流行は子どもや大人の生命を脅かし、これまでの進展を危険にさらしている」と危惧する。

WHOが調査対象とした欧州53カ国の中で最も深刻なのはウクライナで、今年これまでに確認された感染者数は2万3000人に上る。イタリア、ギリシャ、ジョージア、ロシア、セルビア、フランスの6カ国でも、大人と子どもの感染者が1000人を超えた。

はしかに関連した今年の死者の数は、セルビアが14人と最も多い。WHOによれば、欧州全体では37人が死亡している。

はしかは非常に感染力が強く、汚染された空気を吸ったり汚染された表面に触れたりすることで人から人へ感染する。最初は高熱やせき、鼻水などの症状が出て、3~5日後に発疹が現れる。肺炎や脳炎などの深刻な合併症を伴うこともある。

はしかは感染力が強く、子どもの生命を奪う危険が大きい

特に子どもの場合は死に至る危険が大きく、世界で毎日450人の子どもがはしかのために死亡しているという。

流行を食い止めるには、人口の95%以上が予防接種を受ける必要がある。英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の専門家は、「95%を切ると感染が広がって大流行が起きる可能性があり、実際に流行が起きている」と解説している。

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