南北離散家族、北朝鮮で涙の対面 3年ぶりの再会行事

68年ぶりの再開を果たした92歳のイ・グムソムさん(左)と71歳の息子/KOREA POOL/AFP/AFP/Getty Images

2018.08.21 Tue posted at 11:41 JST

(CNN) 朝鮮戦争などで生き別れになった韓国と北朝鮮の離散家族が20日、北朝鮮南東部の金剛山で再会した。

離散家族の再会行事は2015年以降途絶えていたが、今年4月の南北首脳会談で再開が決まった。

韓国側でこれまでに再会行事への参加を申請した登録者のうち、7万5000人以上がすでに死亡。存命している5万7000人余りの6割以上が80歳を超えている。今回は93人が選ばれたが、このうち4人は直前に健康上の理由で断念した。

韓国側の訪問団は19日、南北軍事境界線の南側に位置するホテルに集合して、健康診断や諸注意の説明を受けた。車椅子で参加した人もいる。ロビーで撮影した記念写真は額に入れ、北朝鮮側の家族に渡せるように準備した。

訪問団を乗せたバスは20日に軍事境界線を越え、金剛山へ向かった。

韓国から参加した92歳のイ・グムソムさんは、71歳の息子と68年ぶりの再会を果たした。母子は涙を流して抱き合い、握り合った手を最後まで離さなかった。

別の女性は兄との再会を希望したが、本人はすでに亡くなっていたため、兄の妻子と会うと話した。

息子との再会を前に健康診断を受ける女性

一方、高齢の父が参加を希望しながら今回もかなわなかったという男性は19日、「父はいつ死んでしまうか分からない。認知症の症状も出始めている」「それなのに毎回、テレビで再会の場面を見て傷付くしかない」と訴えた。

再会行事を主導する韓国赤十字の責任者もCNNとのインタビューで「参加者の数はごく限られている」と認め、選ばれなかった希望者のために別の手段も検討するよう、北朝鮮側に働き掛けていると強調した。

南北離散家族、涙の再会

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