山火事で積雲も発生、特異な気象で消火難航 米カリフォルニア州

カリフォルニア州で続く山火事は特異な気象の影響で消火が難航している/Hector Amezcua/AP

2018.07.31 Tue posted at 12:18 JST

米カリフォルニア州レディング(CNN) 米カリフォルニア州北部で続く大規模な山火事の影響で、巨大なキノコ雲の発生や様々な方向から吹く突風など特異な気象が形成され、延焼の方向を予測するのが難しくなっている。

当局の30日夕刻の発表によると、同州シャスタ郡では今も19人の安否が確認できていない。風向きの変化や乾燥した天候、急な斜面にあおられて、火災はさらに延焼を続けている。

カリフォルニア州森林消防当局によると、1週間前に発生した火災では、これまでに9万8724エーカー(約4万ヘクタール)が焼失。火勢を食い止めることができたのは20%にとどまっている。

この火災で少なくとも建物966棟が破壊され、被害はカリフォルニア州で起きた山火事の中でも記録的な規模となった。同州で大きな被害を出した山火事の多くは、2015年以降に集中している。

地元消防局の幹部は、「今後はさらに破壊的で、もっと規模の大きい火災が、これまでの歴史にはなかったようなペースで発生するだろう」と予測する。

大規模な山火事の影響で積雲も発生し、キノコ型の雲が遠方からも観測された。

積雲は地面が太陽の熱で暖められて暖気が上昇し、冷気と交じり合って雲ができる現象。山火事が発生すると暖気が急激に上昇して樹木などの植物の水分が蒸発し、上空の冷気の湿度が高まって火災積雲が発生する。

今回の山火事では火災積雲も発生している(写真は2016年のもの)

この雲の影響で雷やさまざまな風向きの強風が発生し、消火活動は一層難しくなる。半面、場合によっては湿度が高まって雨雲が発生し、消火の助けになることもある。

しかし同地は今後も気温が高く、乾燥して風の強い天候が続く見通しで、山火事の被害がさらに拡大する恐れもある。

気象専門家によると、今週中は降雨は見込めない状況で、「火災発生地域では突風が予想され、火災が発生させる強風が強く吹く時もある」と予想される。

カリフォルニア州ではほかの地域でも十数件の大規模な山火事が発生しており、資材や人員の配備が厳しくなりつつある。

カリフォルニア山火事、被害さらに拡大

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