パリ(CNN) パリ市内の路上で女性に侮辱的な言葉を掛けたとされる男が、たしなめて立ち去ろうとしたこの女性を平手打ちする場面の映像が波紋を呼んでいる。
映像は現場の防犯カメラで撮影され、たたかれたマリー・ラゲールさんがフェイスブック上で公開した。
ラゲールさんは24日に帰宅する途中、カフェのテラス席の前で男とすれ違った。男が口笛を吹いたり、「侮辱的で挑発的な言葉」を掛けてきたりしたため、ラゲールさんは「黙りなさい」と言って立ち去ろうとしたという。
すると男は近くのテーブルから灰皿を拾い上げ、ラゲールさんに向かって投げ付けた後、引き返してラゲールさんを平手打ちした。
防犯カメラの映像には、男がカフェの客らにとがめられ、言い合った末に歩き去る姿も映っている。
ラゲールさんはこの日、ほかの場所でも同じように声を掛けられ、うんざりしていたという。フェイスブックへの投稿で「あの男だけではない。嫌がらせは毎日起きている」「こういう行為をやめさせる時だ」と主張した。
ラゲールさんからの通報を受けてパリ検察が捜査に乗り出したが、男の身元は判明していない。
フランスのシアパ男女平等担当副大臣は、30日のラジオ番組でラゲールさんの勇気を称賛した。
同国では最近、公共の場でのやじや口笛、電話番号を尋ねるなどセクハラ行為に最大で10万円近い罰金を科す法案が上院を通過したが、まだ正式な成立には至っていない。