トランプ氏、前政権高官らの機密情報アクセス権はく奪を検討

トランプ氏が前政権高官らの機密情報へのアクセス権はく奪を検討/Olivier Douliery/Pool/Getty Images

2018.07.24 Tue posted at 14:50 JST

ワシントン(CNN) トランプ米大統領はオバマ前政権で国家安全保障政策を担当した高官ら6人について、機密情報にアクセスする権限をはく奪する措置を検討している。サンダース大統領報道官が23日、ホワイトハウスでの会見で明らかにした。

サンダース氏によると、アクセス権のはく奪が検討されているのは中央情報局(CIA)のブレナン元長官、連邦捜査局(FBI)のコミー前長官とマケイブ元副長官、クラッパー元国家情報長官、ライス元大統領補佐官(国家安全保障担当)、国家安全保障局(NSA)のヘイデン元長官。

6人がロシアによる米大統領選介入問題をめぐり、同国とトランプ政権の不正な関係を「根拠もなく」主張していることが、「不適切」とみなされるためだという。サンダース氏は、元高官らが公職の地位を政治的、金銭的な目的に利用してきたと批判した。

ただ、はく奪措置についてトランプ氏がいつ決断を下すかという見通しには言及しなかった。はく奪の具体的な手続きについては「選択肢を探っているところだ」と述べた。

米政府高官らは退任後も、後任者への助言などが必要となる場合のために、引き続き機密情報へのアクセス権が認められる。ただし事情に詳しい人物らによれば、6人のうちコミー氏とマケイブ氏はすでにアクセス権を失っているという。

大統領の権限でアクセス権をはく奪することは可能だが、その権限が政治的な報復として行使されるのは異例の事態だ。

クラッパー氏は、トランプ氏が政治的な理由でアクセス権をはく奪すれば「恐ろしい前例」となり、「制度の乱用」に相当すると主張した。

ロシアによる米大統領選介入問題をめぐる批判がアクセス権はく奪検討の理由だという

一方、ヘイデン氏はツイッターへの投稿で、すでに機密情報にはアクセスしていないと述べ、権限をはく奪されても「私が言ったり書いたりすることに全く影響はない」と強調した。

これに先立ち、与党・共和党保守派のランド・ポール上院議員は、ブレナン氏らのアクセス権をはく奪するようトランプ氏に働きかけていたとされる。

ブレナン氏は先週、トランプ氏がプーチン・ロシア大統領との共同会見で、ロシアの介入を断定している米情報当局の見解に反した発言をしたことに対し、「反逆」行為にほかならないと強く反発していた。

トランプ氏は先週、米CBSニュースとのインタビューで同氏やクラッパー、ヘイデン、コミー、マケイブ各氏を名指しし、前政権の情報高官らは全く信頼できないと話していた。

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