偽情報による集団暴行で男性1人死亡、30人逮捕 インド

インドではワッツアップ上のうわさに絡む集団暴行などが続発している/ARUN SANKAR/AFP/AFP/Getty Images

2018.07.17 Tue posted at 12:46 JST

ニューデリー(CNN) ソーシャルメディア上の偽情報をきっかけにした集団暴行が続発しているインドで、先週も男性1人が群衆に襲われて死亡する事件が起きた。インド警察は暴行に関与した容疑などで計30人を逮捕した。

男性は南部カルナータカ州ビーダルで13日、住民らに襲われて死亡した。一緒にいた友人3人も重傷を負って病院へ運ばれたが、容体は安定しているという。

ビーダルの当局者によると、男性らは道路わきに車を止めて女児らにチョコレートを配っていた。1人の子どもが叫び声を上げたため、かねてからソーシャルメディア上で誘拐集団のうわさを目にしていた住民らが止めに入った。

当局者によると、男性らがなぜチョコレートを配っていたのか、悪意があったのかどうかは今のところ分かっていない。

男性らは逃げ出したが、メッセージ交換アプリ「ワッツアップ」で情報を受け取った住民ら約2000人に数キロ先で襲われた。車がスリップして道路から外れ、住民らが男性らを引きずり出して殴りかかった。

警察は暴行にかかわった疑いで28人、偽情報を拡散した疑いで2人を逮捕した。この中には、地元のワッツアップ・グループ管理者も含まれているという。

偽情報対策として新聞に掲載された全面広告

州幹部はこの事件を「集団リンチ」と非難した。住民らには「うわさを信じて勝手に制裁しようとせず、不審な行為を見かけたら警察に通報して」と呼び掛けた。

インドでは同様の事件が続発しているため、ワッツアップは先週、英語とヒンドゥー語の新聞に偽情報の見分け方を示す全面広告を掲載。

今後さらに9州の地元紙で、それぞれの言語に訳した広告を流す予定だという。

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