タイ・タムルアン洞窟(CNN) タイ北部のタムルアン洞窟に閉じ込められている少年など13人の救出活動で8日夕、13人のうち少年4人が、ダイバーに付き添われて無事に洞窟を脱出した。残る9人の救出活動は9日に再開する見通しだが、豪雨の影響で救助は時間との戦いになっている。
救出された少年4人は地元チェンライ県の病院に運ばれた。健康状態について、当局者は「それほど悪くない」と形容している。
この日の救出活動は、タンクに空気を充てんするため、いったん中断された。しかし8日には再び雨が降り始め、数日間は降り続くと予想されており、並行して続けられている洞窟から水をくみ出す作業は難航が予想される。
チェンライ県知事によると、8日の救出作業は予想より順調に進んだ。当初の予想では、ダイバーが狭いトンネルをくぐり抜けて少年たちのいる場所に到達し、戻ってくるまでには往復で約11時間を要すると思われていた。しかし、ダイバーが洞窟の入り口に入ってから最初の少年が現れるまでに実際にかかった時間は約9時間だった。
救出作業は洞窟ダイビングを専門とするダイバー18人の国際チームが担当。少年たちにフルフェイスマスクを着けさせ、迷路のようなトンネルをくぐり抜けた。
最初の1人が洞窟から姿を現したのは午後5時40分。その10分後に2人目が現れ、続いて7時40分と50分に残る2人が脱出した。
洞窟内に取り残されていたのは11~16歳の少年12人とサッカーチームコーチの大人1人。洞窟内で行方不明になってから9日後の7月2日に発見されていた。
入り口から13人がいた場所までの距離は約4キロ。周辺は水没し、酸素の供給も限られている。
中には泳げない少年もいて、途中は人1人がやっとくぐり抜けられるほどの隙間しかない場所もある。この区間ではダイバーが少年の酸素タンクを持って先を泳ぎ、狭い隙間をくぐり抜ける必要がある。この区間を無事に通過すると、別の救助チームが引き継いで少年たちを助けながら、入り口までたどり着く。
県知事は脱出する順番について、少年たち自身の意見と、洞窟内に入った医師の判断で決めると述べていた。
6日にはタイ海軍特殊部隊の元隊員が、酸素タンクを届けて戻る途中で死亡する事故も発生。フィンランド人のボランティアダイバー、ミッコ・パーシさんによると、これで現場の空気は一変し、救助作業がどれほど危険かを再認識させられたという。
「それでも私たちは先へ進む。全員がプロフェッショナルだから、二度と同じことが起きないように努める」「全員が、少年たちを無事脱出させることに全力を尽くす」とパーシさんは話している。
タイ洞窟、少年4人が無事脱出