バンクシーの新作か 移民問題テーマの7作品、パリ市内に

馬上のナポレオンをモチーフにしたバンクシーの作品とみられる壁画/PHILIPPE LOPEZ/AFP/AFP/GETTY IMAGES

2018.06.29 Fri posted at 15:17 JST

Jessica Campisi, CNN Emily Smith, CNN

 落書き風の壁画で知られる覆面ストリートアーティスト、バンクシーの新作と思われる作品が、フランス・パリ市内の少なくとも7カ所で見つかった。いずれも欧州の移民危機を共通のテーマとして描いている。

作者がバンクシーだという確証はない。しかしインスタグラムのバンクシー公式アカウントには、新しい作品の写真が掲載された。

このうち、2015年11月のテロ事件で90人が死亡したバタクラン劇場近くの壁画には、ベール姿でうつむく人物が白黒で描かれている。


パリ同時テロで狙われた劇場の近くに描かれた壁画

移民人口の多い地区の近郊に描かれた作品では、現代版のナポレオンが赤いマントで顔を覆って白馬にまたがっている。

ミニーマウスの大きな丸い耳とピンクのリボンを付けたネズミ風の小動物は、消えかけた「1968年5月」の文字の上に乗っていた。これは50年前のパリ5月革命を記念する作品。

別のビルの壁面に描かれたネズミの夫婦の壁画は、エッフェル塔にあこがれの眼差しを向けているように見える。


実際のエッフェル塔を眺めるように描かれた作品

黒人の少女が肩越しに周囲の様子をうかがいながら、ナチス・ドイツのかぎ十字の紋章の上にピンクのスプレー缶で模様を描いている作品もあった。この作品は世界難民の日の6月20日ごろに発見されたが、その後、何者かに青いペンキで塗りつぶされて破壊された。


世界難民の日の前後に見つかった作品

バンクシーは過去にも難民・移民問題をテーマにした作品を披露してきた。シリア難民危機にスポットを当てた2015年の作品では、米アップルを創業した故スティーブ・ジョブズ氏の肖像画をフランス・カレーの難民キャンプに描き、インターネットで「シリアからの移民の息子」というキャプションを付けていた。ジョブズ氏は、シリアから米国への移民の血筋を受け継いでいた。

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