テスラ従業員が操業妨害、運用システム改ざんや情報漏洩

イーロン・マスク氏

2018.06.20 Wed posted at 12:56 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米電気自動車メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はこのほど従業員に宛てた電子メールで、1人の従業員がカリフォルニア州フリーモントの工場で操業妨害行為を行ったことを認めたと発表した。

テスラが黒字転換を目指し、「モデル3」の生産台数を7月初めまでに週あたり5000台に引き上げようとするさなかの出来事だった。

テスラ株は19日の取引で約5%下落した。

マスク氏は17日夜に従業員に送信したメールの中で、問題の従業員が「大規模かつ破壊的な妨害行為」を告白したと説明。この従業員が製造運用システムのコンピューターコードを改ざんしたほか、大量の社外秘情報を第三者に引き渡したとしている。

動機については、昇進を望んだのにかなえられなかったためだと述べ、「彼を昇進させなかったのは間違いなく正しかった」とした。従業員の氏名は明かさず、解雇したかどうかにも触れていない。

マスク氏はさらに、従業員以外にも、テスラの失敗を望む者が関与した可能性があるとの見方を示し、「テスラに死んでほしいと思う組織はいくらでもある」と主張。空売りで多額の損失を出している投資家や、テスラが推進する太陽光発電や電気自動車を快く思わない石油・ガス会社を挙げ、「そうした会社はあまりいいことをしていないといううわさもある」とした。

さらに、「大手ガソリン・ディーゼル車の競合企業も存在する。排出についてあれほどの不正を思いつくのなら、別の手段の不正も思いつくかもしれない」と述べている。

従業員に対しては、モデル3の製造に関して特別な警戒を払うよう促した。

今回の電子メールの内容はCNBCの報道で発覚した。テスラは問題の従業員の妨害行為についてはコメントを避けている。

翌18日には従業員に2通目のメールが届き、17日夜に小規模の火災があり、生産ラインが一時的にストップしていたことを明らかにした。火はすぐに消し止められてけが人はなく、機材にも大きな被害はなかったとしている。出火原因は分かっていない。

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