仏男性が太平洋横断に挑戦、半年かけプラスチック汚染も調査

世界初となる泳ぎでの太平洋横断に挑むフランス人のベン・ルコントさん

2018.06.06 Wed posted at 19:17 JST

(CNN) コンサルティング会社の幹部を務めるフランス人の男性が5日、太平洋を半年がかりで泳いで横断するチャレンジを開始した。途中、膨大な量のプラスチックごみが漂流する海域として知られる「太平洋ゴミベルト」を通過することで、環境問題への関心を高める狙いもあるとしている。

世界初となる泳ぎでの太平洋横断に挑むのは51歳のベン・ルコントさん。千葉県の銚子をスタートし、約8800キロ彼方にある米サンフランシスコへの到達を目指す。1日8時間、平均48キロ泳いで6カ月かかる計算だ。

コンサルティング会社で持続可能性にかかわる事業を手掛けるルコントさんは、今回の挑戦を気候変動や健康、環境汚染についての科学調査の機会とも位置付ける。

ウェットスーツに身を包んで泳ぐルコントさんには、サポートメンバーのほか米航空宇宙局(NASA)など12の機関から派遣された研究チームが乗り込んだヨットが帯同する。泳ぎ続けるルコントさんの心身の状態を分析するほか、ルート上の海域でさまざまなサンプルを採集する予定だ。

太平洋ゴミベルトを通過する際には、プラスチックごみによる汚染状況の調査を行う。大量のごみが集中するこの海域の面積は、フランスの国土の3倍に相当するとされる。

ルコントさんは今回のチャレンジに向け4年を費やして体力トレーニングに励んできた。横断中は、1日8時間泳いだ後ヨットで休養を取り、翌日に同じ地点からまた泳ぎ始める。

横断中はサポートメンバーや研究者らの乗り込んだヨットが帯同

AFP通信のインタビューに答えたルコントさんは「身体的なことよりもメンタルの部分の方がはるかに重要だ」「常に前向きな思考を持ち続けるよう心がける必要がある」と語った。

銚子を出発した後は黒潮に乗って日本の沿岸を北上。北太平洋海流に達したところで東へ進路を変える。ルコントさんの現在位置や当該海域の気象状況は、ウェブサイトを通じてリアルタイムで追跡できる。

1998年には、世界で初めてビート板なしで大西洋を横断したルコントさん。当時、5日間にわたりサメに追いかけられた経験から、今回はサメよけのブレスレットを装着して泳ぐという。

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