世界の子どもの半分以上、戦争・貧困・女性差別のリスクに直面

世界の子どもの半数以上が紛争や貧困、差別といったリスクにさらされているという

2018.06.01 Fri posted at 17:01 JST

(CNN) 世界の子どもの半分以上は、紛争や貧困、あるいは女性に対する差別の危険にさらされている――。国際援助団体セーブ・ザ・チルドレンは、6月1日の「世界子どもの日」に合わせて発表した報告書で、そんな実態を明らかにした。

報告書によると、紛争、貧困、女性に対する差別の危険にさらされている子どもは推定12億人。そのうち1億5300万人は、この3つのリスク全てに脅かされている。

報告書では、「世界の子どもの半分以上は、女の子であるという理由で、貧しいという理由で、あるいは紛争地帯で育ったことによって、最初から人生が阻害されている」と指摘。人生を一変させ、子ども時代を奪いかねない出来事の一例として、早すぎる結婚、児童労働、栄養不良を挙げた。

子どもが死亡、栄養不良、教育の欠如、強制結婚、出産、労働などに直面している割合を国ごとに比較したランキングによると、子どもが守られている国の筆頭はシンガポールとスロベニアが同着で1位。続いてノルウェーとスウェーデン(3位)、フィンランド(5位)、アイルランド・オランダ(6位)、アイスランド・イタリア・韓国(8位)の順だった。米国は36位、ロシア37位、中国は40位にとどまっている。

最悪はニジェールで、ワースト10はいずれもアフリカの国だった。

貧困の子どもは81%が都会から遠く離れた地域に集中していた。52%はアフリカ大陸のサハラ砂漠以南に、36%は南アジアに居住。インドだけで貧困の子どもの30%を占めている。

「全体的には富裕国と貧困国の間に多大な溝があり、最も弱い立場にある子どもたちのために、進展を加速させることが急務とされる」。報告書はそう指摘する。

格差縮小を加速させることが子どもの安全の向上につながる

富裕国では子どもの生存格差が大きい現状も浮き彫りになった。先住民の子どもの死亡率は、米国では国の平均より40%高く、カナダでは20~360%も高いという。

貧困層の子どもの死亡率は2000年以来、富裕層よりも早いペースで低下しているものの、格差縮小のペースは十分とはいえない。

世界の児童労働は2000年に比べて40%近く減少した。それでも推定1億5200万人の子どもが、今も児童労働から抜け出せず、自分や家族の生計を支えるために働かざるをえない状況にある。

10億人以上の子どもは貧困国に住み、2億4000万人は紛争にさらされている国に居住。女の子のうち5億7500万人以上は、性差別が深刻な問題とされる国に住んでいる。

「貧富の格差を解消すれば、何百万もの若い命が救われる」。報告書はそう結んでいる。

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