(CNN) イスラム教のラマダン(断食月)に合わせて化粧品ブランドが流した「メイク講座」のビデオに対し、信者から「的外れ」との批判が集中した。
ビデオはカナダ発の化粧品ブランド「M・A・C(マック)」の中東部門が先週、動画投稿サイト「ユーチューブ」上で公開した。
イスラム教徒はラマダンの間、日中は飲食を断つが、夜明け前に「スフール」、日没後に「イフタール」と呼ばれる食事を取る。
ビデオでは「スフールの前に」をテーマに、メイクアップ・アーティストがアイシャドーやマスカラの使い方を紹介している。
だが実際は、イフタールにおしゃれをしても、スフールはパジャマ姿という人が大半で、身だしなみを気にしないことが多い。ツイッター上には、ビデオを見たイスラム教徒らから冗談交じりの書き込みが相次いだ。
あるツイートは「きょう見たなかで一番笑えた広告。午前3時にフルメイクしようと思う人がいるものですか」と批判。「マックが考える『スフール顔』に対して現実は」と、ビデオの女性の横に寝ぼけ顔の子どもの写真を並べた投稿もあった。
ただ、一部の富裕層はスフールに着飾って外食するとの指摘もあった。
あるユーザーは、3年前のラマダンに滞在したアラブ首長国連邦ドバイで、にぎやかなスフールの会食を経験したとツイートしている。
問題のビデオは27日までにユーチューブから削除されたようだ。マックの親会社、エスティ・ローダーにコメントを求めたが返答はなかった。