噴火から家を守った男性、溶岩に直撃され重傷 ハワイ

溶岩に足を直撃されて入院したダリル・クリントンさん

2018.05.25 Fri posted at 16:35 JST

ハワイ・パホア(CNN) 米ハワイ島のキラウエア火山噴火で、飛んできた溶岩に足を直撃されて重傷を負った住民の男性が、このほどCNNの取材に応じ、その時の様子を振り返った。

同島パホア地区に住むダリル・クリントンさんは、噴火でできた亀裂から約90メートルの距離にある2軒の家を守っていた。亀裂からは溶岩が勢いよく噴き出し、爆弾のようにいつどこへ飛んでくるか分からない。

飛び散る溶岩をくぐり抜け、2軒の間を行き来しながら家を守る作業は命がけだった。友人の家の庭は、至る所に降ってきた溶岩が冷えて固まった痕があった。

クリントンさんは消火器とガーデニング用のホースを手に、飛んできた溶岩に水をかけ、延焼を食い止めていた。降り注ぐ溶岩によって窓ガラスは割れ、浄化槽は火に包まれてメタンガスの青い炎が上がった。

翌日、バルコニーで携帯電話を使って電話していた時だった。ボウリング球ほどの大きさの溶岩が飛んできて、クリントンさんの脚に当たった。

「最初はまさかと思った」「痛みを感じて本当だと知った」。クリントンさんはそう振り返る。

爆弾のような溶岩に直撃された足は、骨が折れていた。「その後体に火が付き、床に倒れ、足を抱えた」

クリントンさんの家のすぐそばに落下した溶岩弾の痕

交代で家を守っていた元妻のリサ・ローチさんが、クリントンさんを病院に運んだ。ローチさんによれば、溶岩の高熱のおかげで傷口が焼かれ、出血を食い止めていたという。

クリントンさんのいたバルコニーも火に包まれたが、近所の住民が消し止めた。

クリントンさんは2本の骨が折れ、骨の一部が露出していた。これまでに2回の手術を受け、さらに手術が必要になる見通しだが、つま先は動かすことができるようになり、回復が見込めるという。しかし少なくとも6週間は、けがをした方の足に体重をかけることはできそうにない。

それでも自分の身を危険にさらしたことは後悔していないとクリントンさんは言い切る。溶岩に直撃されるまで、負傷するリスクは低いと考え、危険を冒しても家を守る価値はあると考えていたという。

ただ、次に戻ることができたら、溶岩に当たらないよう、もっと気を付けるとクリントンさん。「私たちはずっと、最前列であらゆる角度から見る溶岩を楽しんでいた」「これほどの至近距離で見て、建物を幾つか救うことができるのは素晴らしかった」と話している。

ハワイ噴火、溶岩弾直撃で男性入院

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