ニパウイルスで3人死亡、40人以上に検査 インド

インドでニパウィルス感染症のため3人が死亡した

2018.05.22 Tue posted at 10:45 JST

ニューデリー(CNN) インド南部ケララ州当局は21日、人や動物から感染するニパウイルス感染症のために3人が死亡したと発表し、インド保健省や世界保健機関(WHO)と連携して対応に当たっていることを明らかにした。

ケララ州公衆衛生当局によると、死亡したのは20代後半の兄と弟、そのおばの3人。死亡した兄弟の父(56)も生命維持装置を装着され、危険な状態にあるという。

米疾病対策センターやWHOによると、ニパウイルスは人やコウモリ、ブタとの接触を通じて感染する。発熱や頭痛などの症状が出て、重症化すると急性呼吸器症候群や脳炎症状を起こして数日で昏睡(こんすい)状態に陥り、死に至ることもある。

同ウイルスに対して有効なワクチンはなく、治療は対症療法に限られる。

ケララ州で最初の死者は19日に報告され、当局は州全域に警戒を呼びかけるとともに、24時間態勢で対応に当たっている。

死亡した患者に病院で面会した14人と、治療や看護に当たった病院スタッフ27人については検査を実施。別の地域で同じような症状のため死亡した患者についても検査を行っているという。

インド保健・家族福祉相は、「状況を注意深く見守っている」とする声明を発表し、対応を支援するためケララ州に対策チームを派遣したことを明らかにした。

井戸を調べる当局者ら=ケララ州

州当局は、感染者の救命と、ウイルスの感染拡大防止に全力を尽くすと表明している。

ニパウイルスの最初の集団感染はマレーシアで1998~99年にかけて確認された。

この時は約300人が感染し、100人以上が死亡。感染拡大を防ぐため、100万頭以上のブタが殺処分された。ニパの名称は、感染源となった養豚場のある村の名に由来する。

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