(CNN) 中国の国営メディアは13日、同国で建造中だった初めて国産空母が同日、試験航海を開始したと報じた。
「001A型」との暫定的な名称を持つ同空母は現地時間の13日午前7時、遼寧省大連を出港。排水量は約5万トン、全長約315メートルに幅は75メートルとされ、中国の空母としては2隻目。動力は原子力ではない通常型で、2020年までの就役が予想されている。
今回の試験航海を終えたとしても実戦配備の準備が整ったことを意味せず、001A型は今後も試験航海を繰り返し、問題点の把握や改善を重ねるとみられる。
中国の最初の空母「遼寧」はウクライナから調達した旧ソ連時代の空母を下敷きにして改修し、12年に就役していた。
中国は海軍戦力の増強を進めており、習近平(シーチンピン)国家主席は今年4月12日、中国共産党の旗印の下で世界に比肩し得る海軍力構築に言及していた。
ただ、2隻目の空母保持は中国のアジア太平洋における軍事力向上につながるものの海軍力育成の技術はいまだ旧式であり、米国とは相当な差があるとの指摘もある。
豪州のシンクタンク「ロウイー研究所」の上席研究員はCNNの取材に、中国の空母について「アジア太平洋における米軍戦力に正面から挑戦出来る能力はない。単純に、米軍の空母に匹敵出来る能力ではない」と指摘した。
専門家は、001A型は遼寧より大きく、航空機搭載量を増やすためより重くするなど改善されると見ている。2隻目の空母はスキージャンプ方式の飛行甲板など遼寧の設計に大きく依存している。
001A型の画像や衛星画像を分析した専門家は、船体では微妙な点で変更が加えられているとし、搭載機を最大で8機増やすことが可能になっていると説明。遼寧の搭載能力は現在、固定翼の航空機とヘリコプター含め約30機となっている。
オーストラリアの研究機関「グリフィス・アジア研究所」の研究員は、遼寧の建造は訓練目的の色彩が強く、001A型は世界での実際の作戦遂行への投入を目指していると分析している。
香港紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」によると、中国の人民解放軍は3隻目となる空母建造に着手。スキージャンプ方式とは異なるより先端的な航空機離発着艦システムの導入も取りざたされている。