(CNN) ロシアは9日、第2次世界大戦での対ドイツ戦勝を祝う恒例の式典をモスクワにある「赤の広場」で実施する。リハーサルの様子から、パレードに登場するとみられるロシア軍の最新兵器の概要が明らかになった。
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スホーイ57型戦闘機
スホーイ57型戦闘機は、ロシア初の国産第5世代ステルス戦闘機。初飛行は2010年に実施済みだが、空軍への正式な編入はまだ行われていない。
国営メディアによると、国防相は今年2月、「実戦形式のテスト」のため同戦闘機2機をシリアへ配備した。
極超音速ミサイル「キンジャル」
ロシアが開発した最新の極超音速ミサイル「キンジャル」は、先週行われた式典のリハーサルでミグ31型戦闘機2機に搭載されていた。
プーチン大統領は3月、このミサイルについて、音速の10倍のスピードで飛行し、弾道ミサイル防衛システムを回避する性能があると述べた。
大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ヤルス」
ミサイル防衛システム構築への支持拡大を目指す米非営利組織(NPO)MDAAによれば、ロシアのICBM「ヤルス」は、10個の核弾頭を搭載可能。射程距離は1万2000キロに達する。
現在保有するヤルス73基のうち、63基は移動式のプラットフォーム上に、残る10基はミサイル格納庫にそれぞれ配備されている。
T14型戦車
「アルマータ」と呼ばれるプラットホームを使用したT14型戦車は、年内にも初期段階のテストを終える予定。その後は運用試験に進む。
国内メディアは15年、同戦車が装備する125ミリ滑腔砲について、砲口エネルギーの観点からこの種の武器では史上最大規模の威力を持つと報じている。
地対空ミサイルシステム「S400」
米軍の地対空ミサイルシステム「パトリオット」に相当するロシア軍の「S400」。米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)でミサイル防衛に関する分析を行う「ミサイル防衛プロジェクト(MDP)」によれば、S400は有人・無人の航空機、巡航ミサイル、弾道ミサイルを標的とする。
射程は400キロで、移動式の発射台に搭載されたミサイルがシリアとクリミア半島に展開するロシア軍部隊の保護のため配備されている。
地対空ミサイルシステム「ブク」
「ブクM2」は自走式の中距離地対空ミサイルシステム。ロシアメディアの報道によると、最大24の標的を同時に追跡できる。射程は上空が最大25キロ、地上距離では45キロまで届くほか、海上の標的への攻撃も可能だ。