トランプ氏、イラン核合意からの離脱を表明

トランプ氏がイラン核合意からの離脱を表明

2018.05.09 Wed posted at 10:07 JST

ワシントン(CNN) トランプ米大統領は8日、イランとの核合意から米国が離脱すると表明した。

トランプ氏はホワイトハウスからの演説で、核合意を「崩れかけた、腐った体制」「根本的に欠陥がある」と批判。「我々が何もしなければ、何が起きるか分からない」と述べた。

核合意は2015年、米国のオバマ前政権と英仏独中ロがイランとの間で結んだ。イランに対する制裁解除と引き換えに、同国の核開発を制限する内容だった。

トランプ氏は演説で制裁を復活させると表明し、イランの核兵器獲得に加担する国にも「厳しい制裁を科す」と言明。「ひどい、一方的な合意だった」「平穏も平和ももたらすことはなかったし、今後も決してないだろう」と強調した。合意の精神に反してテロ支援などを続けるイランに、巨額の外貨獲得を許してきたとも批判した。

トランプ政権はこれまでも、地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定や環太平洋経済連携協定(TPP)からも離脱して同盟国の反発を招いてきた。

核合意にもかねてから批判的だったトランプ氏は、英仏独に修正案の提示を求め、その期限を12日に設定していた。マクロン仏大統領とメルケル独首相は最近、相次いで米国を訪れ、トランプ氏が離脱を思いとどまるよう説得を試みていた。

トランプ氏は8日の演説に先立ち、同日午前にマクロン氏と電話で会談した。仏情報筋によると、マクロン氏は通話の内容に大きな失望感を示していたという。

米政府が制裁を復活させるには企業や銀行への指針を作成する必要があり、その作業には数カ月かかることも予想される。

トランプ氏は8日、欠陥とされる事項の外交解決に応じる用意もあると述べ、交渉の余地があることを示唆した。しかし離脱表明によってイランをめぐる先行き不透明感が増し、欧州企業から同国への投資が滞る事態は避けられないだろう。欧米間で何らかの交渉が成立したとしても、イランやロシア、中国が同意する保証はない。

トランプ氏は先週末に離脱の最終的な判断を下したとされ、7日にツイッターを通して演説を予告していた。12日の期限を待たず発表に踏み切ったことについては、イスラエルの米大使館をエルサレムに移転する記念式典が来週予定されているため、その妨げにならないよう配慮したとの情報もある。

トランプ氏、イラン核合意の離脱表明

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