ニューヨーク(CNNMoney) 時価総額で米国首位に急浮上した米アップル。その出発点は、20年前のあの日にさかのぼる。
1990年代、アップルの経営は危機的状況にあった。ホームコンピューター「アップルII」と「Mac」の人気は薄れ、ライバル各社に大きく後れを取っていた。
しかし97年、共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏が復帰して最高経営責任者(CEO)に就任。それから1年もたたないうちに、新製品の「iMac」を発表した。
98年5月6日、ジョブズ氏は、あの特徴的な発表会の壇上に立っていた。
2011年にジョブズ氏が死去する直前にアップルのCEO職を引き継いだティム・クック氏は6日、この時のプレゼンの映像をツイッターで公開した。
プレゼンの中でジョブズ氏は、あり得ないほど未来的な製品としてiMacを描写し、「何もかも半透明で、中が透けて見える」と紹介。背面のハンドルを使えば簡単に持ち上げることもできると語り、「後ろから見ても、他社製品を前から見るより見栄えがいい」と言って聴衆を笑わせた。
初代iMacのサイズは現在の電子レンジほど、価格は1299ドルだった。
iMacのデビューから1年もたたない99年1月、アップルの四半期利益は3倍強に増えた。
それからの10年で、ジョブズ氏は「i」シリーズの製品を次々に発表。2001年に音楽ソフトウェアの「iTunes」、続いて第1世代の「iPod」を送り出し、07年には初代「iPhone」を、10年には「iPad」をデビューさせた。
現在のiMacは第7世代で、初代とはほとんど似ても似つかない。アップル広報によると、スリープモード時の消費電力は、初代に比べて96%少なくなったという。