二酸化炭素濃度、初の410ppm突破 ハワイ観測所

マウナロア観測所が測定した大気中のCO2濃度は、4月の平均で410ppmを突破

2018.05.04 Fri posted at 18:02 JST

(CNN) 地球温暖化の筆頭原因とされる二酸化炭素(CO2)の濃度が、ハワイにあるマウナロア観測所の測定で初めて410ppmの大台を超えた。

マウナロア観測所が測定した大気中のCO2濃度は、4月の平均で410ppmを突破した。60年以上にわたる観測史上、410ppmを超えたのは初めて。

米スクリップス海洋学研究所のラルフ・キーリング氏は、「このままのペースが続けば、あとわずか16年で450ppmに達し、その20年後には500ppmに達する。そうなれば気候系にとって危険な領域に踏み込む」と危機感を募らせる。

同氏の父チャールズ・キーリング氏がマウナロア観測所で観測を始めた1958年、CO2の濃度は315ppmだった。以来、ハワイで観測されたCO2濃度の変化を示す「キーリング・カーブ」は急激な上昇を続けている。

ただ、大気中のCO2濃度上昇は、1950年代よりずっと前から始まっていたことが分かっている。

CO2濃度は産業革命前も自然現象によって変動を続けていたが、過去80万年で300ppmを超えたことは1度もなかった

産業革命前は、自然現象によって何千年もの間、CO2濃度は変動を続けていた。それでも過去80万年で300ppmを超えたことは1度もなかった。

キーリング氏はCO2の上昇について、「化石燃料の燃焼によって大量のCO2が放出された直接的な結果」と指摘する。

2015年に採択された地球温暖化に関するパリ協定(トランプ政権は2017年に離脱を表明)は、温暖化ガス排出削減のための行動計画を打ち出し、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して2度未満に抑えるという目標を打ち出した。

キーリング氏は、「化石燃料に代わって風力や太陽光といった再生可能エネルギーが使われるようになり、(CO2上昇のペースが)10年以内に減速へ向かうことを期待する」と話している。

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